
近くの公民館で盲導犬との体験を見学させてもらったことがあります。
アイマスクをして盲導犬のハーネス(皮の紐)を持って、一緒に歩く訓練です。
ゴー(進め)カム(来い)、シット(座れ)、ダウン(伏せ)、ウェイト(待て)…
「なぜ、英語で訓練するんですか?」と担当者に聞くと
「日本語には、男言葉、女言葉があります。人によっても言い方変わります。犬が混乱してしまうので男女差のない英語を使っています。」との回答でした。
確かに「座れ」にしても「座れ!」「お座り!」「座わりなさい!」「座りましょう!」「お座りしなさい!」「座ろう!」「お座りして!」「座んだよ!」「座んど!」…英語では「シット」一つででいいのか。
なるほど、と感心すると同時に日本語は本当に男言葉、女言葉があることに改めて気付かされました。外国の方が日本語を難しいというのも分かる気がします。
若い外国の女性が「てめえ!この野郎!何すんだ!」女性店員が「お前ら、何喰う?さっさと注文しろよ!」なんて話しただけでも大受けしますからね。
「あなた、何をするんですか?」…の方が私たち日本人には聞いていて耳触りがいいですものね。
これは、日本語の特徴といえば特徴なのでしょうが、性、身分、老若等によって使い分けされてきた歴史から来ているんでしょうね。
ところが、警察犬の訓練では、日本語を使っています。
咄嗟の時に出る短い命令言葉で「座れ!」「来い!」「行け!」…。
警察犬の調教師で有名な松尾晴美さんは、犬の訓練と間違えて家で子どもたちに「座れ!」ときつく言ったら
「お母さん、私たち犬じゃないよ。」と言い返されたそうです。
また、こういうことも言ってました。
犬たちは可愛いが、いつも可愛がっていると、それが当たり前になって、それ以外のことをすると不満そうにし、「主人は犬の私、人は召使」と思ってしまうらしいのです。
これでは訓練ができないので、いつも同じではなく、ランダムに、時には強く叱り…
そうすると可愛がった時や褒めたり美味しい餌をやった時に非常に喜び、「主人はこの人」と認め従順になるということです。
溺愛は禁物!だそうです。子どもや生徒の躾にも言えそうな話ですね。
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