朝の会が終わって、先生が教室から出ようとした時、健太君が
「先生!僕、良く分かんないですけど、スケートとか陸上競技とか、なぜ左回りなんですか?何か理由があるんですか?」
「おー、そうか、ちょうどオリンピックも始まるしなあ、健太君、良い質問だ。」先生はみんなに呼びかけました。
「今日一日、みんなで考えてみないか?」
そして、帰りの会。
「朝の健太君の質問、どう?みんなどう考えた?」
「ハイ、先生!」翔真君が手を挙げ答えました。
「僕は、左足が軸となり、右足で強く踏み出せるからだと思います。休み時間に校庭で健太君と大輔君とで右回りと左回りで走ってみたんですけど、右回りはなんかやりずらかったです。」
すると、桜さんが「私は、地球の回り方に関係あるんじゃないかと思います。」
和明君は「僕は、こういう競技を最初に始めた時がたまたま左回りだったからじゃないのかなあと思います。」
「他には?」…
「君たちの考えは、素晴らしい。実は色々な説があって、一つには決まっていないんだよ。翔真君の左軸足説も,桜さんも和明君も一理あります。」
「時間がないので、先生が調べた結果は、印刷しておいたからそれを見て、参考にしてほしい。簡単にさっと説明するね。」
なぜ左回りの方が一般的にコーナーを走りやすいかは色々な説があります。
〇利き足説。今も昔も右利きの人が多いので、左足を軸として右足で強く蹴れるから。
〇遠心力による心臓への負担を少なくするため。心臓が胸の左寄りにあるため。
〇広い野原などで人に目隠しをした状態でまっすぐ歩かせると、なぜか本能的に左寄りにずれていくから。
他にも
〇地球は自転していて、その影響で左回りのほうが力を発揮しやすい。
〇利き手である右手を外側にして回ると、バランスをとりやすいから。
〇体の左側にある心臓を守るため、本能的に体の右側を前に出すから。
〇重い肝臓が体の右側にあるため、本能的に左側に体を傾けてバランスをとるから。
〇学校の授業などで左に回ることが多いため、慣習的に身についているから。
〇進化の過程で偶然そうなったから。
〇見る側からすると、人の眼は、左から来て右に動いていくものを見るのが自然で楽。
(競馬では右回りも有る。実は、競馬は競技場の内側で見るものが最初だったから。)
断定はできませんが、やはり最初の利き足説が有力。多くの人が、左足を軸足とすると、蹴り足である右足を外側にして回る左回りの方が走りやすい。
また、ボールなども左足を軸足とし、右足で蹴り上げるほうがやりやすい。
自転車には、左側から左足を軸にして右足を振り上げて乗る。
大半のフィギュアスケーターが、左足を軸にジャンプする。
しかし、なぜ、左足を軸足にする人が多いのか?理由は不明である。
このように、多くの人が左回りを好むことは、間違いない事実である。
真っ暗闇では人は、左へ左へとフラフラ移動するという。逃走犯の大半が、街中を左回りに逃げ回るとも聞く。
こうした習性を活かし、迷路は左に曲がると迷うように設計されているという。
ボクシングや剣道などでも対峙する二人が左に回る傾向がある。
だが、なぜ人は左に曲がりたがるのか、その理由もまだ分かってはいません。
追加:スポーツに限らず、色々なもので、右回り、左回り、をあげてみました。
『右回り』
時計の針 北半球で見る太陽の動き トランプの配り方 回転寿司 電子レンジの皿 スピードメーター 秤などアナログ指示器の目盛り レコード CD ろくろ 扇風機 回転式電気かみそり 船のプロペラの多く(後ろから見たとき) 銃弾のスピン 銃の旋腔(rifling)の方向 指で回す電話のダイヤル 缶切り 鉛筆削り ドリルの刃閉鎖方向(水道やガスのコック、ネジを切ってある瓶の蓋など) 増加方向(エレクトロニクス機器などの調節つまみ)…
『左回り』
野球 トラック競技 幕内の土俵入り 身体のスピン(円盤投げ、砲丸投げ、フィギュアスケート)盆踊りの多く 麻雀の進み方 花札の配り方 石臼 ジューサーミキサーの回転 ヘリコプターのローター 北半球の低気圧や渦 メリーゴーラウンドの多く 風車 飛行機のプロペラの多く プロペラ型風速計 コンクリートミキサー車 草刈り機の刃の回転…
※陸上トラックの回り向きは、1913年にIAAF(国際陸上競技連盟)が正式にルールとして決定したものです。それ以前は、オリンピックなどでは右回りのこともあったそうです。
競技者から左回りのほうが走りやすい、記録が良いとの声が寄せられたことが契機となり統一されました。
以来、陸上のみならず、ほとんどの競技が左回りで行われています。スピードスケートも左回り。競輪も競艇も左回り。野球のダイヤモンドも左回りです。
★更に一歩?考え過ぎ?こじつけ過ぎ? 文字の丸〇は右回り、数字のゼロ0は左回りで書きます。丸は、左上の始点から書いて上の部分で左から右に力を入れて下に流す。数字のゼロは上中央あたりから左回りに降ろし、下の部分で左から右に力を入れ上に流す。どちらも意識して強く書く部分は左から右である。※右手で書く場合、左から右への動きは自然で力が入ります。回り方は変わっても人はうまく調節しているんですね。
「123,なぜ左回り?」への1件の返信
[…] 101,これは良い 102,仕事は人を選ばず 103,吾唯足知 104,近所とは仲良く 105,塩と砂糖を描く 106,最近の田舎 107,適度な甘さ 108,マニュアル言葉 109,+と- 110、ええ奴やんか 111,よく頑張ったね 112,「思い込み」の利用 113,3Vと3S 114,英雄は意図して作る 115,身近な毒物 116,よき若者多し 117,良いと悪い 118,元気と勇気 119,小笑話 120,「遊び」が大事 121,男言葉女言葉と溺愛 122,記憶力 123,なぜ左回りなの? 124,自然体から学ぶ 125,ニホン?ニッポン? 126,読点と句点 127,雷 128,大きいと太い 129,卍の意味は? 130,歯科医院での光景 131,先人に学ぶ 132,アリだったら? 133,かえるのぴょん 134,個人情報保護の陰で 135,これは何? 136,父親像 137,リラックスタイム 138,あの時は 139,ほぼ69cm 140,心の傷 141,食べて大丈夫? 142,界面活性剤 143,村を守る 144,自分の言葉をつかえ 145,蜘蛛の糸 146,家族の支え 147,変わりゆく言葉 […]