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パナシ

127,雷

 近くで雷が鳴っています。稲光りもしています。ベランダでそれを見ながらヒデちゃんがお父さんに聞きました。

「お父さん、光ってからゴロゴロと音が鳴るまでの時間がかかるほど雷は遠いと先生が言ってたけど、それ本当なの?」

「そうだね、光の速さと音の速さが違うからね。光は1秒間に30万キロm、音は1秒間に340m。近くだと光るのと音が同時に届くけど、遠いとその差の分、音が届くのに時間がかかるってこと。光ったら、1、2、3、4…と音が鳴るまで何秒か数えて、それに340mをかけると大体の距離は出るよ。」

「そうなんだ。」

「花火もそうだよ。」

「光ってから、ドーンとなるまでの秒数を数えてそれに340mをかけると大体の距離は出てくるね。」


「では、お父さん、なぜ、雷は起こるの?
「まだ正確なことは分かっていないけど、物と物が擦れると静電気が生じることはわかるかい?」

「なんとなく」

「夏の暑い日に地面が温められて、空気が急に上昇して入道雲ができたりするとき、周りの空気(上空では水滴や氷の粒)と擦れて静電気が発生するからとされているよ。

冬などでは冷たい空気が暖かい空気の下に潜り込むから、暖かい空気が持ち上げられるとき静電気が発生するかららしいよ。

要は自然の中で大きな規模で静電気が発生するからだよ。その電気が放電するとき、光と音を放つんだよ。」

雷は漢字で雨に田んぼと書くけど、田んぼと何か関係があるの?
「稲穂は、雷の光に当たることで実を結ぶという信仰があってね。雷の多い年は豊作と言われてきたんだよ。だから雷の光も稲に大事な物という意味で『稲妻』というようになったらしいよ。」

「漢字の『雷』は今は雨かんむりの下に『田』と書くけど、もともとは田んぼの田じゃなかったんだよ。古い字体では『田』の字が三つ、書かれていたというよ。ちょうど『品物』の『品』という字の『口』の部分を「田」に換えるように、雨の下に『田』を一つ書き、さらにその下に二つ『田』を書いたんだよ(畾)。
これは、稲光りの形やゴロゴロという音を表しているといわれているんだよ。その三つの田を一つにしたんだね。」

「そうなんだ。」

「それでね、雷は、『神が鳴る』と書く『神鳴り』が語源らしいよ。また、雷の古い呼び名のひとつに『いかづち』もあるんだけど、これは、厳つ霊(いかつち)が変化したもので、厳めしい(いかめしい)、という意味を示す厳(いか)と助詞の「つ」、そして命や精霊を示す「ち」を並べた言葉なんだって。

よく晴れた夏の午後、蒸し暑くよどんだ空気が動き出す瞬間があるよね。
雲がさーっと広がって、突如、轟音が大地をゆるがす。やがて飛び散る火花、天を引き裂く光。いにしえの人たちは身を寄せ合って、田畑を潤す雷雨に感謝を捧げたんだよ。

『漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。』なので、その想いを受けとって、感じてみたらヒデちゃん……、今日一日が違って見えるはずだよ。」

「なるほどなあ。そうだったんだ。」

「ところで、お父さん、雷が鳴ると『おへそを取られるから、おへそを隠せ』と言われたけど、本当にそうなの?

「そうだなあ。これも諸説あるんだけど、直接おへそが取られることはないよ。雷が鳴るときは空気が冷たくなるため、『おなかを冷やさないように注意した』のではないかなあ。

また、雷は周囲よりも高いところに落ちるので、『“おへそ”を隠したほうがいい』というと自然に前かがみになって背が低くなるから、という説もあるよ。」

「本当だ。首を曲げるからね。もう一つ良い?お父さん。」

「ああ良いよ。知ってる範囲なら答えるよ。」

雷が鳴ると、なぜ、『桑原、桑原』というの?

「桑原って地名なんだよ。」

「なんで地名を言うの?」

「これも諸説あるけど、最も有名なのが菅原道真の祟り説かな?」

「なに、たたりって?恐い話?」

「大丈夫だよ。」

「昔、930年、平安京の清涼殿に雷が落ち、多くの人が亡くなってね。
当時の人々は、これは901年に大宰府に左遷され、903年に亡くなった菅原道真の祟りであると考えたんだよ。

その後も各地で落雷があったけど、道真の所領だった桑原庄だけは雷が落ちなかったんだ。
そこで、雷を避ける呪文として地名の『桑原、桑原』と唱えるようになったらしいよ。
やがて、雷だけではなく災難を逃れるための呪文としても親しまれて、『桑原、桑原』が広がっていったんだそうだよ。」

それで、この清涼殿の落雷の件で道真の怨霊が雷神と結びつき、菅原道真は天神様として祀られるようになったという話だよ。」

「そんな意味があったんだ。明日、先生に話してみようかな。」

 「お父さん。雷の電気は、貯められないの?

「電気だということは、アメリカの科学者,ベンジャミン・フランクリンがカミナリは静電気と同じであると考えて,カミナリの日に空高くたこを揚げるという,とても危険な実験をして確かめたんだ。
この実験はとても危険なので、ヒデちゃん決してまねをしてはいけないよ。」

「うん」

「雷の電気は一瞬で数億ボルトの高電圧なので、今の技術では貯めることは難しいとされているんだよ。しかもいつ起こるかわからないので安定して使えないということもあるしね。」

「ふうん。そうなんだ。」

「いま仮に雷の電圧を、およそ1億Vと考えると、家庭の電圧の約100万倍に相当するんだよ。雷のエネルギーを家庭で例えると…100Wの電球 90億個分。

落雷は1/1000秒の間に電気を放電するから、雷のエネルギーを使えば、その一瞬だけ、電球90億個を全て光らせることができるんだ。」「なんだかすごそう。」

「雷のエネルギーを全て家庭に使用できる電力に換算すれば、およそ50日分の電気になるんだよ。」「へえ、そうなんだ。」

雷の電気は、他に役立つことはないの?

「雷の電気を貯めることは、今はできなくても、この電気を少しは有効活用はしているよ。

雷が多い年は稲などの農作物やキノコがよく育つと言われているし、近年では、人工的に小さな雷を発生させて、キノコを育てる研究も行われているからね。」…

「ちょっと難しかったけど、なんとなく分かったよ。お父さん。」

「うん、それで良いよ。細かい数字はお父さんも自信がないから…。」

*参考
・ライブドアニュース『漢字トリビア』「雷」成り立ち物語
・『おもしろサイエンス 雷の科学』(雷研究会/編 日刊工業新聞)
・雷のエネルギー 音羽電気工業 他

これが一気に上昇して静電気を貯めて、放電するから雷⚡になるのか

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作成者: パナシ

雑学大好き、何でもやりっぱなしが多い。

「127,雷」への1件の返信

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