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パナシ

195,そうですね。

 食堂でテレビを見ていたおじさんが、何やらぶつぶつ呟いていた。
テレビには、駅伝で優勝したチームの選手たちがインタビューに応じているシーンだ。

「『そうですね…』『そうですね…』じゃねえだろう?『はい』と『ええ』とか言えねえのか、こいつら…」

それを聞いていて「その通り。」と心の中でおじさんに拍手を送りました。

 駅伝の選手に限らず、相撲、野球、ゴルフ、オリンピックの選手など、活躍してインタビューを受けるシーンをよく目にするが、ほとんどが、聞かれたことに対して「そうですね」から入ることが多い。

 緊張する勝負を終えてほっとしている気持ちもよく分かるが、全ての質問に「そうですね」では、あまりにも無防備で聞いている方も飽きてしまう。
まずは「はい」で受けて、時には「ええ」とか「そうですね」を使って、よく考えた返答をすると、聞いている方も聞きやすい。

 どんな質問が出るか予想もできないこともあるが、質問をある種の攻撃と考えると「はい」は後の先、「そうですね」が後の後の対応に見える。

 インタビューは、試合ではないけれど、視聴者の心を掴むという点では、専門の競技以上に、自分との『表現力の試合』ではないだろうか?

 「そこまで気を抜くな。」

たぶん、おじさんの言いたかったことは、そういうことだと思いました。

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作成者: パナシ

雑学大好き、何でもやりっぱなしが多い。

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