会社の同僚が、午前中に息子の授業参観があるからと、午後から出勤してきました。
「ただいま出社しました。」上司に挨拶と報告をした後、私の所に来て、「今日、一緒に帰ろう。」何かあったのかなと思わせるような雰囲気でした。
会社が終わって、近くのそば屋さんでお酒を手に「まずは乾杯!いやあ、お疲れ!」
「なんか嫌なことでもあったのかい?」
「そうなんだよ。聞いてくれよ。」
「参観に行ったことか?」
「うん、今の学校っておかしくないか?」
「何が?」
「いや、先生達は一生懸命やっているけどさ、子どもに気を遣いすぎだよ。子ども達のこと、『さん』付けで呼ぶんだぜ、しかも男に子にもだよ。」
「それはさあ、男女平等とかジェンダーフリーとか言われていた頃からだろう。今頃分かったの?」
「学校のことはカミさん任せだったからなあ。でもさあ、なんか変な感じなんだよな。」
「大人の社会じゃ、男も女もみんな『さん』だろうが…」
「そりゃあ、そうなんだけど、男の子どもには『君』か呼び捨てがいいなあ。学校はサービス機関じゃなくて教育する場所なんだからさあ、もっと厳しくやってもらいたいなあ、多少は殴るくらいでもいいからさ。と思ったわけさ。」
「だけど、自分の子が殴られたらどうする?自分の子は殴らないで欲しい、そう思っていないかい。暴力はいけないし、パワハラ的なこともいけないし、保護者の要求も色々だから最小公倍数的?あれ最大公約数的?なことしか今の学校には出来ないんじゃないのかなあ。」
「一体どうしたらいいのか?家庭内の問題なのか?おちおち働いてもいられないと思ったんだよ…。
それとさあ、机が小ちゃいんだよ。今、社会全体の書類がA判だから教科書なんかもA判だろう。ノートは、まだB判でもさ、筆箱置いたら、机からはみ出しちゃう大きさなんだよな。あれじゃ、能率悪いし、子どもだってイライラするよ。今の倍くらいないと安心して勉強も出来ないよ。消しゴムや鉛筆は年中落としがちだし、隣にはみ出したりして、トラブルだっておこりやすいんじゃないかな。昔のパソコンがMS-DOSで一つのことしか作業が出来なかったけど、今はWINDOWSの時代、同時にいくつかの作業が出来ないとなあ。」
「それはよく分かるよ。けど机を大きくしたら、教室に入れる数が限られるから、一学級当たりの人数にも関係してくるんだろうなあ。」
「日本はね、先進国を自負しているんだからさあ。今のままじゃダメだよ。俺に言わせりゃ、机を大きく広くすれば、学力が上がる。絶対に上がるね。」
「その考え、案外当たりかもな。人には、快適な距離間隔というのもあるしなあ。それが実現すれば、イライラも減り、いじめなんかも少なくなるかもなあ。」
「子どもを大事にするってよく言うけど、そういう物理的な教育環境も大事にして欲しいけどなあ。それを一番分かっているはずの先生達や学者連中が何で声を上げないのかなあ。…それと…」
「まだあるの?」
「うん、大したことじゃないけど、鉛筆を正しく持っていない子が多いね。あれも見てイライラしたなあ。きっと学校では指導しているはずなのに、徹底していない。家で箸の持ち方なんかも指導していないのかなあ。もしも、そのまま大人になっても変な鉛筆の持ち方していたら、面接では、まずダメだね。」
「どうして?」
「だってさあ、よっぽど不器用で正しい使い方が出来ないか、或いはよっぽど頑固で人の話を聞かないで我が道を通してきたかのどちらかだろうが…。不器用な人も、我が儘な人もうちの会社ではいりません、とならないかい。」
「まあ、そうだけど、男子はともかく、女子の中には、家とか試験の時とか、先生に注意された時は正しく持って、それ以外は格好付けてというより可愛い子ぶってやっている子もいるとか聞いたことあるなあ。」
「それも変だよなあ。」「人と変わったことやりたいんじゃないの?
前に、一回、鉛筆の持ち方では、考えたことがあるんだ。どの部位を動かすか考えたんだよ。
正しく持つ場合、動かすのは、手首から前の指先だよなあ、
グウのように握って持ったら動かすのは腕だよなあ、長いことそれで書いていると疲れが肩に来て、肩こりが慢性化し、他の所にも影響が出ると思うよ。
正しい持ち方の子と正しくない持ち方の子に、長い文章を書かせたら疲れ方の差が明白にでると思うなあ。ま、正しいというより体に楽ということ。」
「どっちみち、字が書ければいいんじゃないのかなあ」…。
「しかし、今の学校は大変だよなあ。一体どうしたらいいの?問題は分かっているのに、解決策が見つからない。学校のせい?家庭のせい?押しつけあっても意味がない。両方でどう協力していくか、みんな分かっているはずなのに前に進めない。その間にも子どもはどんどん成長しているし…。
今日は、授業中の息子のことより、自分の目の前にでっかい課題が出てきたようで、どうしたらいいのか考えながら仕事をしていたよ。」
「ま、ぬるま湯の中で人任せで冷水から育てようと思っているんだから、難しいよなあ。これから日本はどうなっていくんだろうかね。」
「それが心配だよな。」
「ところでさあ、こういう話を真剣にしたいなら、親父の会に入らない?」
「そんなのがあるんだ?」
「飲み会も多いけど、学校の草を刈ったり、運動会やバザーの時パトロールをしたりしていたよ。」
「えっ、お前は入っていたんだ。」
「以前ね、学校のこともよく分かるし、仲間も増えたよ。色々な職業の人いるからね。授業参観も行きやすくなったし…。」
……
とっても真面目な二人の会話でした。
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