カテゴリー
パナシ

238,割れないガラス


 

 まだ、20代の頃、中学校のクラス会があった。

久々なので懐かしく、それぞれの仕事の話や誰と誰が結婚したとか、今だから話せる事、等等、大変盛り上がった。

 皆、中学時代に戻ったようで、当時の呼び名で呼び合い、2軒目、3軒目と梯子をした。時間も遅く、電車ももうすぐ最終なので解散。

 何人かで駅に向かった。歩いている途中に銀行があった。

中の一人が酔った勢いで、道にあったコンクリートブロックを手でつかみ上げ、銀行のガラスに向かって投げようとした。

何人かが「やめろよ!」と制止したが、そいつは、言うことは聞かず、思いっきり投げつけた。…

「ああっ!大変なことになっちゃった。」皆がそう思った。酔った酒も冷めてしまいそうだった。

だが、ガラスは、「ガチャーン」という音ではなく「ボーン」という音だった。

非常に性能の良い強化ガラスだったのだ。

しかし、そいつは、割れないのは、自分がガラスに舐められたと思って、さっき以上の力で投げつけた。

「ボーン」という音が大きくなっただけで割れなかった。

「君たち、止めなさい!」通りがかったおじさんが注意してくれた。
そいつは「うるせーんだよ。」と言い返す。

…誰かが「最終電車に遅れるぞ。」と言うと、皆、何もなかったように駅に走り出した。

そいつも警察案件にならなくてホッとしたようだった。電車の中ではおとなしかった。

何かありましたか?

 皆さんは、こんなひやりとした体験はありませんか?

若さ、酒、クラス会、羽目を外したい気持ちも分かるが限度があるんですよね。

お名前.com←詳しくはこちらから



カテゴリー
パナシ

237,面白い数字

電卓のイラスト(文房具)


「お父さん、今日、学校で、算数の時間に、電卓の使い方を勉強したんだけど、楽しかったなあ。」

「どんなことやったの?」

「うん、最初は、5+7とか34×3とか240÷8とか基本的なことやったけど、

先生が『1440(フォーテイーン フォーテイ)は、聞いたことあるか?』って聞いてきたの。

すると、『北京オリンピックで平野歩夢選手がやった技の名前でしょ?』と俊君が言うと、みんなが『ああ』と言ったんだ。

先生が続けて『1440÷360を計算して見な!』と。

そしたら『答えが4』とみんなが言ったんだ。

先生は、『一回転が360°だから1440は4回転したと言うことだな。』

『ああ、そう言うことだったのか』とみんな納得。

それでね、その後が面白かったんだよ。お父さん。」

「何が?」

「ちょっと待って、ノート見って来るから。」…。

「142857という数字があるんだけど、お父さん、スマフォの電卓出して見て。」

「ああ、良いよ。」

「142857に1をかけると?」

「142857だろう?」

「じゃあ、2をかけると?」

「285714だよ。」

「さっきの1をかけた数字と比べてどう?」

「2倍になってるんだろう?」

「そうなんだけど、数字の並び方を見てよ。」

「ああ、同じ数字の順番がずれてるだけだね。」

「じゃあ、3をかけたら?4をかけたら?」

「ちょっと待って、紙に書くから。…3をかけると428571、4では571428。これも同じ数字の並び順が違うだけだな。へえ、面白い。」

「でしょう?」

「じゃあ、5と6もやってみようか。」

142857×1=142857
142857×2=285714
142857×3=428571
142857×4=571428
142857×5=714285
142857×6=857142

「1→4→2→8→5→7の順で回っているでしょ?先生は確かこれを巡回数とかダイヤル数とか言ってたよ。」

「なるほどなあ。」

「じゃあ、お父さん、7をかけてみて。」

「どうせ、順番が変わるだけだろう?」

「いいからやってみて。」…

「なんだこりゃ?」

「面白いでしょ?」

「999999か?本当に美しい数字になるね。」

「じゃあ、今度、お父さん、1÷7をやってみて。」

「1÷7=0.142857142857…、えっ?142857がずっと続くんだ。ふうん。」

「他にも142857を14と28と57に分けてたすと99になるんだって。」

「こりゃあ面白い。お父さんも楽しかったから、クラスのみんなもきっと喜んだだろう?」

「うん、いつもなら言われたことしかしないのに、今日は積極的にやっていたし、みんな電卓の使い方はもうすっかり覚えたみたいだよ。」

「先生の導き方が上手だったってことだな。」

「そしたら、翔ちゃんが『先生、面白いけど、これが何の役に立つんですか?』と質問してね。

先生が答えて言うには『今は直接これが何の役に立つかはわからない。ただ楽しい数字だけかもしれないが、こういう研究がパソコンを生み出したりしているから、まったく無駄ということは無いよ。

今日は、電卓の使い方をやりましたが、筆算や暗算は確かに面倒くさい。電卓は楽です。が、最初から電卓を使っている国もあるけど、自分で考えないから簡単な計算も苦手らしいよ。』って言ってたよ。」

インドの掛け算表

「そうか、先生の言う通りだ。お父さんもそう思うなあ。あと、ヒデちゃん、インドの掛け算も面白いらしいぞ。」

カテゴリー
パナシ

236, 虹の色


「お父さん、虹の色って、なん色なの?」

「7色だろう?『七色の虹』とか『虹の七色』とか言うからなあ。」

「僕、この虹の写真を見ても、どうしても7色に見えないんだよ。」

「どれどれ。」

「お父さん、本当に7色に見える?」

「うーん、難しいなあ。せいぜい3つか4つだなあ。」

台所で料理を作っていたお母さんが

「それね、見えなくて当たり前なのよ。国や地方によっても違うのよ。日本では学校で『赤、橙、黄、緑、青、藍、紫』の7色と教えているからよ。」

7色:日本・韓国・オランダ
6色:アメリカ・イギリス
5色:フランス・ドイツ・中国・メキシコ
4色:ロシア・東南アジア諸国・アフリカ
3色:台湾のブヌン族・アフリカのショナ語族
2色:南アジアのバイガ族・アフリカのバサ語族」

「日本でも、古くは、中国と同じ5色。
沖縄地方では2色(赤、黒または赤、青)。
江戸時代末期に西洋科学を取り入れ始めてから7色になったみたいよ。」

「7色って誰が決めたの?お母さん?」

「ああ、それはね。万有引力で有名なニュートンよ。」

「あのニュートン?」

「ニュートンは最初、虹は、5色だと思っていたし、当時、はっきり虹の色が7色であると認識することは無理があったけど、音楽と関係づけて『各色の帯のはばが、音楽の音階に対応している。』と、無理やり7色にしたんだって聞いたわよ。
これが今もずっと残っているんじゃないの。」

「そうなんだ。僕は、全世界共通かと思っていた。ありがとう、お母さん。」


「お父さん、虹はなぜできるの?」

「それはだな、太陽光は、7つの色が集まっているんだよ。太陽光をプリズムなどを通すとそれぞれ波長が違うから、曲がり方が違ってくる。それが虹なんだよ。
虹以外でも、水に油をたらすと、虹色になるだろう。玉虫やミミズの虹色の身体もそうだね。」

「うん。」

「赤色は、波長が長くて曲がりにくいので自動車のブレーキランプや信号の止まれに使われているのは知っているよね。」

「うん、前にお父さんが教えてくれたからね。」

「テレビの後ろにRGBと書いてある所があるだろう。」

「うん。」

「虹の7色の赤、橙、黄、緑、青、藍、紫のうちの(Red)い部分、真ん中の(Green)、そして(Blue)い部分のことで、この三つの量を変えると全ての色ができるんだよ。光の三原色と呼んでいるね。」

「なるほどね。良く分かったよ。お父さんもう一ついい?」

「ああ、いいよ」

「虹という漢字は、なぜ虫偏が付くの?」

「それはね、古代中国では、虫の字の意味する範囲が今とは違っていたんだよ。
虫の旧字体は蟲で、もともと虫(キ)という漢字が別にあって、蟲はそれを三つ並べた字なんだよ。」

「こんな字は、初めて見たなあ。」

「虫という漢字の由来は、ヘビをかたどった象形文字で、本来はヘビ、特にマムシに代表される毒を持ったヘビを指すんだ。
読みは「キ」であって、「蟲」とは明確に異なる文字なんだよ。」

「そうなんだ。」

「古代中国では生き物を、外見から、「」「」「」に大きく分け、このどれにも当てはまらない小動物の総称を「」と呼んでいたんだよ。」

「大ざっぱだね。」

「まあね。蝦(えび)蛤(はまぐり)蛙(かえる)は、鳥・獣・魚のどれにも分けられないことから、「虫」として扱われ、そこから虫偏がついた、という訳なんだよ。」

「それで蛙は、虫偏が付くのか。」

「ほかにも、蛇(へび)、蜥蜴(とかげ)、蠍(さそり)などの“爬虫類”などや、水場にいる蟹(かに)、蜆(しじみ)、蜃(おおはまぐり)にも虫がつくよね。」

「ああ、確かに。」

「虹という現象を、古来の中国人は龍が作り出すものと考えたんだよ。つまり、虹という字は、ヘビ(虫)が、大空を貫く(工)と書く。龍は巨大なヘビと考えられていたからね。」

「そうなんだ。だから、虫偏が付くのか。分かったよ。お父さん」

「この「虹=蛇(龍)」という考え方は、全世界的に見られるし、虹は古代では珍しい色彩と、できる理由が不明なことから、神の領域として捉えていたんだね。」

「なるほどなあ、お父さん、ありがとう。今度、昔の人の気持ちになって虹を見たら少し怖いかなあ。」

「それは、どうかなあ?龍がいないってことを、もう知ってしまっているからね。」



カテゴリー
パナシ

235,子どもと戯れる

これ恐竜の卵かな?どう思う?


「おーっ、縄跳びやってんの?」近所の子供たちが広場で縄跳びで遊んでいた。

 最初は、怪訝そうな顔でこちらを見ていたが、中の一人の女の子が「そうだよ。おじさん。」と。

「うまいね。楽しそうだね?」

「うん、楽しいよ。」

「おじさんも仲間に入れてくれないかな?」

「ええっ?おじさん、縄跳びの縄は持ってんの?」

「うん、これじゃダメ?」カバンからヌンチャクを取り出してみせると

「ダメだよ。それじゃ。」

「だって、持つところも2つ有るし、紐だって付いているよ。」

「おじさん、分かんないの?紐が短すぎるんだよ。」

「えっ?これじゃ跳べないの?」

「当たり前だよ。跳べないよねえ、みんな!体に合った長さでこうやって跳ぶんだよ。そんなに短かったら両手と紐の間に身体が入らないでしょ?」

「そりゃあそうなんだ。じゃあ、こうやって跳ぶかな?」
ヌンチャクを右手に持ち、垂直に回してそれに合わせて跳んだ。

「おじさん、楽しい?」

「ああ、楽しいよ。」

「でも、なんか変。縄跳びは、縄に引っかからないように跳ぶから楽しいんだよ。おじさんのだと絶対に引っかからないから、つまんないよ。縄跳びのこと知らないのおじさん?」

「そうなんだ。知らなかったよ。」

「おじさんって面白いね。」

「それで喧嘩したり、後ろを見ないで跳んじゃ危ないから、気をつけるんだよ。おじさん聞いている?」

「はは、おじさんは、喧嘩はしないよ。」

「君たちさあ。終わったら、縄跳びの縄はちゃんと結んでおくんだよ。」

「うん、お母さんにも言われた。」

「そうだ、おじさんねえ、今日は、飴を持っているからみんなにあげるね。」

「えっ良いの?みんな来て!」

カバンから取り出し「はい、あげた。」と飴を上に高く掲げると

「そうじゃないの。あげるってことは、くれるってことだよ。」

「そうか。じゃあ一人2個ずつね。」

「わーい!」

「ありがとうごじゃりましゅ。」

「翔ちゃん、ごじゃりましゅじゃないの。ございますだよ。」

「良いではござらぬか?ねえ、翔ちゃん?」

「うん。」

「おじさん、侍なの?」

「拙者か?あはは、気持ちは、侍だ。」

「けど、刀を差していないじゃん?」

「差して持ってるつもりじゃ。」

「おじさんって、本当に面白い人だね。『お主は、何者じゃ?』私まで移っちゃったわ。ははは。」

「小学校に入ったら、英語習うんだってね。うちの犬、英語がうまいんだよ。」

「嘘でしょ?」

「本当だよ、『1は?』と聞くと『ワン』と言うんだよ。」…

「じゃあ、2は?」

「ああ、…今度聞いておくよ。ま、そう言うことだね。」


「翔ちゃん、僕は、何になりたいの?」

「チャチョウ。」

「社長?…そうか、これからは、翔ちゃんを時々『社長』と呼ぶぞ。いいかな?」

「やったー!」

わしにも子供時代はあった。

 無邪気な子ども達と戯れるのは、本当に楽しいし、すぐ心が通じ合える。

 ただ、最近は、不審者と間違えられるから気をつけないと…。
隣の子供に声を掛けたら、不審者だと警察に通報された例もある。
すぐ近くに住んでいてもお互いに顔を知らないから無理もないけど。
 それより、一番身近な自分の親の名前や仕事すら知らない子もいると聞く。

もう少し大人と子供が自然に触れあえる社会であるといいなあ。お互いのためにも…

時々そんなことを思う。


カテゴリー
パナシ

234,タイムスリップ

孫武の似顔絵イラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

 今回は、少し現実を離れて、タイムスリップしてみたいと思います。

もうすぐ春ですが、春を読んだ古の詩人たちを取り上げました。
唐の時代の「杜甫の春望」「孟浩然の春暁」
平安時代の「清少納言の枕草子」。

高校時代、古文・漢文の授業で恩師が熱く語ってくれたことを思い出します。
お陰で、いまでもすらすら口から出てきます。
三人の「人・世の中・自然の見方」を再度じっくり読み取って見ましょう。
不変な価値観など心が洗われることでしょう。

〇『春望』(杜甫)

国破山河在  城春草木深
感時花濺涙  恨別鳥驚心
烽火連三月  家書抵万金
白頭掻更短  渾欲不勝簪

読み方
国破れて山河在り  城春にして草木深し  
時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ 
別れを恨んでは鳥にも心を驚かす 
烽火三月に連なり  家書万金(ばんきん)に抵(あた)る  
白頭掻けば更に短く 渾(すべ)て簪(しん)に勝(た)へざらんと欲す

現代訳
我が朝廷は国家が破壊されてしまったというのに山河は今もここにある。
長安の町は春を迎えたけれど草木だけが勢いよく生い茂っている。
世の移り変わりに心痛み、花を見ても涙が流れる。
家族との別れを思って鳥のさえずりにもびくびくしてしまう。
いくさの烽火は三か月続き  家からの手紙は万金に値する
白くなった頭を掻けばいっそう短くなり かぶり物の簪(かんざし)をさすこともできない。

※いつの時代も争いの絶えない人の世、この詩を見ると涙が出てきます。いつも泣かされるのは弱い民たち。

〇『春暁』(孟浩然)

春眠不覚暁  処処聞啼鳥
夜来風雨声  花落知多少

読み方
春眠暁(あかつき)を覚えず  
処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く 夜来風雨の声   
花落つること知る多少ぞ

現代語訳
春の明け方ぬくぬくと気持ちよく眠っている
あちこちから鳥のさえずりが聞こえてくる
そういえば夕べは風雨の音がひどかった
花はどれほど散ってしまっただろうか。

※科挙に合格せず、逼迫した生活を送っていた孟浩然。気持ちは明るいですね。

〇『枕草子』(清少納言)

 春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。

 夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。


 秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるにからすの寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあわれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。


 冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

※女性独特の自然の味方ですね



カテゴリー
パナシ

233,二つの風船

図では、クリップの部分を省略しています

 同じ材料で同じ大きさの2つの風船があります。色は違いますが…片方は小さめに膨らまし(青)、もう片方は大きく膨らまします(赤)。
この2つの風船を空気が漏れないようにクリップで止め、管でつなぎます。

クリップを外した瞬間、2つの風船はどうなるでしょうか?


 ①大きい方(赤)がさらに大きくなって、小さい方(青)は小さくなる

 ②大きい方(赤)が小さくなって、小さい方(青)は大きくなる

 ③両方が同じ大きさになる
     
 ④今のままで変わらない

答えは ①です。
 理由:小さい方(青)が風船の内部の気圧が高いからです。風船を膨らませるとき最初はきついけど一旦膨らむと楽になることからも分かりますね。

Snapmaker スナップメーカー 3Dプリンター

カテゴリー
パナシ

232,月はなぜ落ちない


「お父さん、今日は満月だね。」

「空が澄み切っていると、月明りだけでも結構明るいよな。」

「昔は、街灯なんてなかったんでしょ?」

「そう、月明りがないと暗闇だな。」

「星の灯りじゃ手元が見えないものね。」

「うん、蛍の灯りの方がよっぽどましだな。」

「お父さん、僕小さい頃からずっと思っていたんだけど、なぜ月は落ちてこないの?」

「ああ、そのことか。」

「地球には、重力があるから月を引っ張ってんじゃないの?」

「だから回るんだよ。」

「えっ?どういうこと?」

「ヒデちゃんは地球が丸いって分かる?」

「うん、水平線が丸かったり、月食で月に映った地球の影が丸いとか、人工衛星で映した地球が丸いとかで分かったんでしょ?」

「おっ、すごいね、ヒデちゃんよく勉強したね。」

「昨日、学校でやったばかりだから。」

「そうか、じゃあ順番に説明して行くぞ。」

「うん。」

「ボールを横に投げたらどうなる?」

「地面に落ちるよ。」

「大谷選手が投げたら?」

「それでも落ちるよ。」

「そうだな。重力があるから落ちるよね。じゃあ、スピードを上げてロケットくらいだったら?」

「地球から飛び出しちゃうんじゃないの?」

「そうだね、速度が低いと落ちる。速いと飛び出す。その中間の速さだったら、落ちないで地球の周りをグルグル回るよね?」

「えっ?もう一回言って?」

「絵に描こうか?」

「うん。」…

①落ちる ②飛び出す ③どこまで行っても落ちないで地球を回る

「へえ、なるほどね。」

「地球の周りをまわるものを『衛星』と言うんだけど、人が打ち上げたものは『人工衛星』というんだよ。
月も、落ちない、飛び出さない、ちょうどよいバランスの位置にいるから地球の周りを回っているんだよ。」

「そうなんだ。じゃあ、お父さん、そのバランスが崩れたら、落ちるか、もっと遠くに行っちゃうということ?」

「そういうことだな。」

「なるほどね。」

木星

「もっと大きく見ると、地球が太陽の周りを回っているのもこれと同じなんだよ。
火星や木星とかも、それぞれの持っている重力の大きさや形や重さの関係でちょうどよい位置で太陽を回っているんだよ。」

「ふーん、面白いね。そういうことだったのか。」

なぜリンゴは落ちるのか?分かったぞー。

「ニュートンと言う人が、リンゴが木から落ちるのを見て、全てのものはお互いに引きあっているという『万有引力の法則』を発見したんだから、これもすごいよね。」

「うん。」

国内格安航空券・LCCの比較・予約なら【トラベリスト】

街コン・婚活パーティー出会いのポータルサイト 【machicon JAPAN – 街コンジャパン -】

カテゴリー
パナシ

231,血管年齢

戦わずして勝


 一緒に身体を動かしていた友達が、はるばる田舎の我が家を訪ねきてくれた。
積る話をしながら、町の史跡を巡ろうという話になった。

「ああ、この町には、こんな歴史があったんだ。」友達は感心していた。

 別れてから、夕飯の材料を購入するためスーパーに寄った。

スーパーの隣の薬局の前で、『血液年齢を調べませんか?』という看板があり、女性スタッフが座って、来る人を待っていた。一度は通り過ぎたが、「一回くらい調べてもらおうか?」と思い、引き返した。

「お願いしていいですか?」と言うと

「はい、どうぞ座ってください。」と丁寧に対応してくれた。生年月日を告げ、検査体制に入る。

内心は、「年相応かな?それよりは、少しは若いかな?」と思っていたが、

何と結果は「27歳です。」と聞き、驚いた。

「嘘でしょう?」

「もう一度やりましょうか?」

もう一度計測してもらったが、同じ結果に。

「こんな人初めてです。私も嬉しいです。」

「いやあ、私は、とても嬉しいです。普段運動をしているので少しは若いかな?と思っていたんですけれど、こんなに若いとは、予想外でした。
最も脳みそは、10歳程度ですけどね。」

「ブフーッ、ハハハ。そんなことありませんよ。」

「ここに来てよかったです。お支払いは?」

「いいえ、無料ですよ。」

「ありがとうございました。」お礼の言葉も弾んでいた。

 この日の夜の酒は、友達が持ってきてくれた馬刺しもあり、やけにうまかった。

数値はともかく、健康であるということ。日々の生活の中で、ちょっと心躍る出来事でした。

 家に帰って、友達に早速この件を連絡した。

「良かったね。俺も今度、測ってみようかな。」と友達も言っていた。

【日本統合医学協会】アドラー心理学検定1級講座


カテゴリー
パナシ

230,着せ替え人形?

これはおいらの自前の格好だよ。

「お母さん、テレビに出る人って大変だね?」

「何が?」

「だって、毎日、同じ洋服は着られないでしょ?」

「ああ、そのことね。」

「毎日出ている人って、お金はもちろんだけど、洋服をしまう場所だって大きくて広いんだろうなあって思うの。」

「そうね。」

「私、タレントになりたいと思っていたけど、それを考えたら、気が重くなっちゃった。」

「恵ちゃん、あなた、そうなんだ。タレントにねえ。知らなかったわ。」

「お父さんには言わないでね。馬鹿にされそうだから…」

「分かったわ。」

「それでね、お母さん、ニュースを読むアナウンサーや天気キャスターのお姉さんなんか、毎日違う服だし、同じもの着ているのは見たことがないでしょ?」

「そうだね。」

「私、自分が毎日、今日は、何着るかって考えるだけで、頭がおかしくなっちゃう。それに自分に合う洋服をたくさん買いに行くのも大変だし…。」

「男の人は、ネクタイを変えるくらいで良いけど、女の人は大変だと思うわね。」

「制服の方が、私は楽だなあ。」

「お母さんも、若い頃、そう思ったこともあったけど、どうも、専門の人が付いているらしいわよ。局や番組や人によっても違うらしいけど。ある局では、衣装担当やスタイリストがいて、番組によっては、1週間分の衣装が一度に用意されていて、その中から選ぶそうよ。」

「へえ。」

「メイクさんもいるから、スッピンで出社する女性アナも多いとか聞いたわ。」

「衣装、アクセサリ、靴などは、完全にスタイリスト任せらしいわよ。」

「まるで着せ替え人形みたいだね。」

「もちろん自前の人もいるらしいけど、いろいろあるみたいね。」

「どうせなら、私は、腕の良いスタイリストさんがいいなあ。」

「それに、スタジオからの放送やバラエティの屋外ロケでの衣装は、基本的に借り物が多いと聞いたわ。」

「そうなんだ。少し気が楽になったわ。」

「そう?じゃあ、安心してタレントを目指したら?」

「お母さん、お願い、私のスタイリストになってくれない?」

「タレントになったらね。けど、『この服は嫌だ!』とか、わがまま言っちゃダメだわよ。」

「もちろんよ。」

「じゃあ、恵ちゃん、まずは心を磨かなきゃね。」

「うん。」

「じゃあ…お風呂の掃除頼んだわよ。未来のタレントさん。」

「えっ?…分かった。後でやる…。」…

「そういう目線で見ると、東京都知事の小池百合子さんは、この所ほとんど、東京都の仕事着だわね。何か意図があるのかしら…仕事中であることをアピールしているのかしら?」お母さんはそんなことまで考えてしまいました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: bgt
エドインターへの入り口
インスタから集客するなら【InstaAuto】


カテゴリー
パナシ

229,自転車


 小学校に入学前のことだ。自転車で登校できるように、父が子供用の自転車を買ってきてくれ、何度も何度も練習し、やっと乗れるようになった。
家から学校までは5km位あったので、自転車通学が認められていた。

 早速、入学式の翌日から、友達と一緒に初めて自転車で学校まで行くことになった。村のはずれの家を囲むように道が90度以上に深く右に曲がっている。見通しも悪い場所だ。

意気揚々と自転車をこいで学校に向かっていたが、そのカーブの出会い頭でオートバイと正面衝突。

まさかオートバイが来るとは思わず…。左側でなく右側を走っていた自分が悪いのだが…。

身体は地面に倒され、自転車の車輪は曲がり、ハンドルもグラグラ。
痛かったが、学校は休みたくなかったので、ガタガタする自転車を引いて学校まで行った。
先生と、先に着いていた同じ村の友達が途中まで迎えに来てくれた。

すぐ保健室に連れて行かれた。左腕が痛い。養護の先生が湿布薬を塗り包帯をしてくれた。

午前中で授業が終わり、壊れた自転車を引いて家に帰った。腕の痛みより、自転車を壊して父に叱られることばかり心配していた。足取りも重かった。

何も知らない母は、壊れた自転車を見て「身体にけがはなかったか?」と聞いてくれたが、「大丈夫だよ。学校で先生に湿布してもらったから…。」と答えた。

その日、父に叱られることもなかった。

2、3日して痛みは無くなった。

実はこのとき、左腕の関節がずれて脱臼していたのだった。その時は気付かなかったが、数年たつと少しずつ、変化が出てきた。

 壊れた自転車はもう乗れないし、子供用の自転車が手に入らなかった時代だったので、それからは、何人かの友達がしていたように、大人の自転車を三角乗りして、学校まで行っていた。

その内に慣れてきたら、祖母を後ろの荷台に乗せて駅まで行くこともあった。
自動車がほとんど走っていない、しかも舗装されていない砂利道だったが…。

あれ以来、左側通行を心がけた。

街コン・婚活パーティー出会いのポータルサイト 【machicon JAPAN – 街コンジャパン -】

国内格安航空券・LCCの比較・予約なら【トラベリスト】