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月: 2022年12月
「お父さん、このハムおいしいね。」
「うん。美味いね。お母さんの腕も上がったかな。」
「ハムじゃないわよ。ベーコンよ。」とお母さん。
「ベーコンだってさ。」とお父さん。
「お母さん、ベーコンって何?」ヒデちゃんが言うと
「豚肉を塩漬けにして、薄く切ったものよ。おいしいでしょ?」
「うん。」素直にうなずくヒデちゃん。
するとお父さんが「お父さんの知っているベーコンは頭の栄養剤だ。」
「何それ?」ヒデちゃんが質問すると
「また始まったのね。」とお母さん。
「すぐ終わるよ。」とお父さん。
「ベーコンは、ベーコンでもフランシス・ベーコンという人の話なんだ。」
「誰?それ?」
「うん、この人の言った言葉がお父さんは大好きなんだよ。」
「どんなこと言ったの?」
「人と話すことは機転の利く人間を作り、書くことは正確な人間を、本を読むことは幅広く深い知識を持った人間を作る。」
「僕にはまだよく分かんないなあ。」
「うん、今は分からなくてもいいよ。その内に分かるから。」
「で、どうしてその言葉を知ったの?」「知りたいか?」
「うん。」
「大学生の頃、偶然に新聞で見つけたんだ。その通りだな。
それを読んで、『自分の考えを整理してくれた言葉だなあ』と思って、その記事を切り取って大事に保管したんだよ。
それからは忘れないで、自分自身でも少し実行したかなあ。
『話す、書く、読む』…」
「フランスのベーコンという人、凄いね。」
「フランスのベーコンじゃなくて、フランシス・ベーコンだよ。
この人はイギリス人なんだ。」
「書くってメモなんかも入るの。」
「そうだよ。」
「読むって、漫画でも良いの?」
「まあ、好きなところから入れば良いんじゃないの。」
「お父さんが最初に読んだ本は何?」
「そうだなあ。3歳くらいの頃かなあ、初めて買ってもらった絵本の『牛若丸』だな。
字が読めなかったから、家の人に読んでもらって、何回も何回も見ていたなあ。
見るたびに自分が牛若丸になった気分だったよ。」
「あら、そうだったの、私はかぐや姫だったかな。
奇麗な着物を着たい、月まで行きたいと思っていたわよ。」
「お父さんもお母さんもよく覚えているね。」
「今みたいに本がなかったから、何度も読んで大事にしていたんだよ。」
フランシス・ベーコン
1561年1月22日 – 1626年4月9日)は、イギリスの哲学者、神学者、法学者である。
「知識は力なり」の名言で有名。
・人は、話して賢く、読んで豊かに、書いて確かになる。
「人と話すことは機転の利く人間を作り、書を読むことは、物知りな人間を作り、書くことは正確な人間を作る」
・悪賢い人は、勉強を軽蔑し、単純な人は勉強を称賛し、賢い人は勉強を利用する。
・青年たちは、判断するよりも発明すること、評議するよりも実行すること、決まった仕事よりも新しい企てに適している。
・金は、こやしのようなもので、撒布しない場合は、役に立たない。
・金は、良い召使だが、場合によっては悪い主人でもある。
・家は、中に住むものであり、外から見るものではない。
・知は、力なり。
・美貌は、夏の果物のように腐り易い。
●「面倒くさい」という生徒に先生が聞いた。
「面倒は臭いか?そうか。で、どんな匂いなんだ?」
「ううん、先生みたいな匂い。すごく臭いの。」
「なに!」
ハハハ 先生の敗け。
●「先生にみっちり叱られて、僕の心が折れた。」
「えっ?心って折れるものなのか?棒みたいな形してるんだ?そうなんだ。」
●「ブフフ…お前ってミジンコだなあ。」
「なんだそれは?」
「救いようがないってことさ。」
「そういうことか。…えっ?なに!」
●「なあ、『うんちく』って『うんち臭い』の省略言葉?そうなの?」
「そうかもなあ。ハハハ。」
●「あいつ、この頃いい加減だから、ちょっとハッパをかけてこい!」と部下に向かって課長が。
「どんなハッパでもいいですか?」
「えっ、ああ、いいよ。」
「アジサイの葉でもいいですか?」と部下が…
「ああ、お前には100枚ほどかけていいぞ。この馬鹿もん。」
●「お父さん、A君は、僕の倍お小遣いもらっているんだって。」
「倍っていくら?」
「僕は千円だから二千円だよ。」
「じゃあ、2倍っていくら?倍で二千円だから、四千円だよね?」
「ええっ?二千円じゃないの?」
「そうなんだ。じゃあ、倍も2倍も同じなのか?どうして?」
「分かんないよ。明日、先生に聞いてみるよ。」
「ヒデちゃん、日本語って難しいんだよ。」
●「お母さん、北海道の室蘭に『チキウ岬』ってあるんだって。どうして『チキュウ岬』って書かないんだろうね。チキウもチキュウも同じように聞こえるけどね。」
「そうねえ。」
「そしたら、ヤキュウ(野球)もヤキウ、 キュウシュウ(九州)もキウシウ、救急車もキュウキュウシャでなくキウキウシアでもいいかなって僕思ったんだ。その方が字数が少なくていいし。」
「良くは分からないけど、昔は、そう表記していたのかも知れないね?」
「漢字だとすぐ分かるのにね。」
●「お父さん、『全然大丈夫』っておかしな使い方だと先生が言っていたけどそうなの?」
「うん、全然の後には打消しの言葉が続くのが当たり前なんだよ。『全然大丈夫じゃない』みたいに」
「そうなんだ。」
「恐らく『断然良い』と『全然良くない』が混同して使われるようになり、混合して『全然良い』とか『全然平気』も使われているんだよ。変だなあとお父さんは思うよ。」
●「うちは眩しかったから…。」
「はあ?うちは貧しかったから…の間違いだろう?」
「ううん、家の外壁は鏡だったの。だから眩しかったの。」
「君には、付き合ってられないよ。」
●「今日学校で、今井君と木下君がね。『アッ、わ木下(脇の下)だ。』そしたらみんなが笑ったんだ。
木下君が『あ今井な人(曖昧な人)、なにか用?』と切り返して、またみんなが笑ったんだ。
そこに石井君が入ってきて『じゃあ僕は、お石井(おいしい)さんだね。大月さんはウソを入れて大ウソ月(大ウソつき)さんだね。』皆大爆笑だったよ。
『人の名前をいじって遊ぶのは良くない!』と先生に言われてるから、他の人は、やらなかったけど、笑っちゃったよ。」
「あなたはそんなことで遊んじゃダメですよ。名前は、みんなそれぞれ由緒があって、代々伝わっている尊いものなのだから…。絶対にダメよ!」
「分かっているよ。北内君のこと、きたない(汚い)君なんて言わないよ。」
「本当に、言わないでよ。」
「ヒデちゃん、この紙に平行な線を5本くらい書いてみて!」お父さんが息子に言いました。
「えっ、線引き使って良いの?」
「ああ良いよ。」…
「こんな感じで良いの?」
「ああ、良くできたよ。」
「じゃあ、次に、その線一本一本に斜め線を入れてみて!」
「えっ、どういうこと?」
「こんな感じでやってみて!」
「ああ、分かった。」…
「これで良いの?お父さん。」
「うん、それをよく見ると、最初の平行線が曲がって見えないか?」
「本当だ。ええっ?どうして?」
「横から見ると、元の平行線だよね。」
「うん、どうして?」
「錯視というやつなんだよ。どうしても斜め線に惑わされちゃうんだよ。」
「明日、学校でやってみよう。」
お父さんは、白い紙に曲がった枝の絵を描いた。
「これは曲がった枝のツモリなんだけど、ここに線を入れると、真っすぐに見えるということはないけど、曲がっているというのが気にならなくなるんだよ。」
「ああ、確かに。」
「お父さんは、木の枝が好きだから、この『線の効果』を利用して、捨てられる枝をちょっと見栄えを良くしているんだよ。」
「そうなんだ。ちょっとした飾り物に見えるね。」
「ヒデちゃんにも一つ作ってやろうか?」
「いいよ、僕は、枝には興味がないから。」
「じゃあ、特別スペシャルなやつを作ってやるよ。」
「いいよ、本当に要らないよ。お母さんにあげれば?」
「いや、お母さんも要らないって言うんだよ。だからこんなに溜っちゃって…。」
「お父さん、自分の好きなものは、他の人も好きとは限らないよ。」
「ああ、そうだな…。硬さといい、反りといい、良いんだけどなあ。」
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298,休憩しましょう
●「お父さんウサギって美味しいの?」
「はあ?お父さんは、食べたことがないなあ」「だって、ふるさとの歌を聴いたら、ウサギおいし、かの山…ってあるじゃないか?」
「お前は本当にそう思っているのか?」
「ウサギってどうやって数えるの?
匹で良いの?」
「ははは、違うんだよ。」
「じゃあ何?」
「羽(ワ)なんだよ。」
「どうして?」
「昔、日本では、仏教の教えで4つ足の動物は食べられなかったんだよ。
ウサギも4つ足だけど、長い耳を羽だと言って、鳥の仲間にしていたから食べることが出来たんだよ。
だから鳥と同じで1羽、2羽と今でも数えるんだよ。」
「へえ、そうなんだ。今年は、ウサギ年だね。」
「ああ、好いことあると良いね。」
●「お母さん、コンダラって重いの?」
「コンダラ?」
「利ちゃんが歌っていたんだよ。『巨人の星』という昔の歌を…」
「ははは、コンダラねえ、あなた探してみたら?」
「うん、お父さんにも聞いてみるよ。
ひょっとしたら、お父さんは、持っているかも…鉄亜鈴のおおきいやつかなあ?」
「どうしようもないわね。コンダラなんてないわよ。
それは『思い込んだら…』なのよ。」
「やっぱり重いんだ。」
「あなた、本当に私の子供?」
●「佳代ちゃん『きよしこの夜』って歌知ってる?」
「知っているわよ。」
「『きよしこ』って誰?
キヨヒコなら分かるけど。変な名前だね。」
「佳代ちゃん、あのね…」
「個人の夜って何なの?変だよね。」
「だから、佳代ちゃん…」
●「やっと終わったな。よし、飲もう。最初はビールだな。何本頼む?」
「俺、日本人だから二本ちょうだい。」
「俺は、ロシア語で言うよ。『イーポンスキ(日本人)』だから1本。」
●「やんなっちゃうよ。四捨五入したら80歳だよ。」
「何歳になられたんですか?」
「76歳だよ。」
「じゃあ、四捨五入したら100歳じゃないですか。」
「そうか、ははは」
●「授業中ウトウトしていたら、急に先生から『ニンニクを漢字で書け!』と言われたので
『人肉』と黒板に書いたら、
「クスクス…」とみんなから笑われ、それからは白い目で見られた。
ずっとそう思っていたのに…why?
●スーパーの会計機に、小銭入れに溜ったお金を全部入れたらエラーが発生。
店員さんが来て「硬貨は30枚までですよ。」と笑って教えてくれた。50枚くらいあったかなあ。
●早朝24営業の駐車場に車を入れた。
転職する会社の面接試験も無事終えた。
そのまま今の職場に戻ろうとしたら、駐車場の機械は1万円札を受け入れてくれず、はるばる遠くのコンビニまで行って細かく崩す羽目になった。
お陰で職場は遅刻で大目玉。まあ、この会社とは、もうおさらばだからいいけど…
ただ、小銭は多少は持っていないと…。
●大あくびをしたら、ハエが口の中に飛び込んできた。
「ハエと知らなきゃ良かったのにね。」と妻の冷ややかな言葉。
●いつも笑顔で「ボンジュール!」と生徒たちに挨拶をするフランス語大好きの先生に付いたあだ名は「ボン先生」になった。
●電車に乗ったら、誰も近づいて来なかった。家に帰ってやっとわかった。
「あなた、入って来ないで!
あのねえ…
足元を見てごらんなさいよ。」妻が眉を吊り上げ言った。
犬の糞を踏んでいたのだった。ずっと気付かずにいたのだ。
「ああ、恥ずかしい。それより、わーっ、くせえ!チョウくせー」
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297,よく見ないと
ある小学校で、先生がこんな問題を出しました。
黒板に図を書き
「この形が1,この形が2、これが3,これが4とするよ。」
子供たちは「離れている 重なっている 角が三つ 一筆で書ける 丸まっている…」それぞれが頭の中で判断のキーを考えました。
「では、問題です。この図は幾つ?」
「2です。」「正解です。ではこれは?」
「4です。」「正解です。ではこれは?」
「ええっ?分かんない。」…
と…その時、教室のそばを通った母親に抱かれた子が「4」と答えました。
「そうです。あの坊やが言ったように正解は4です。」
「どうして?」子ども達は、ちんぷんかんぷん。
先生は続けて「じゃあこれは?」
「3かな?ええっ?分かんない。」
すると、小さなその坊やは「1」と答えました。「そうです。正解は1です。」
その坊やに向かって、先生は、いくつか出しましたが、全部正解でした。
子供たちの頭の中を混乱させたままではいけないので、先生は、子供たちに言いました。
「実は、あの坊やは図は見ていません。図を見ても分かりません。私の指を見ていたのです。何本で図を指しているのかをよく見ていたんですよ。」
「なーんだ。そうだったのか。」
「でも、大事なことがあります。
ついつい図の形に引きずられがちですが、全体を見ましょう。全体を見ないと騙されますよ。
皆さんに、それを伝えたくてこの問題を出したんですよ。」
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296,欲を捨てれば
昔々の話です。
農家の人たちが丹精込めて作ったお米を盗んで食べる猿がいました。
村人たちは、皆、困っていました。
そんな中、ある農家の人が、猿の習性を考え、それを利用して猿を捕まえる良い方法を考えました。
ヒョウタンの形をした、真ん中が細い瓶を木にしっかり固定し、中には、お米を入れておきました。
夜になり、猿は木の下にやってきました。
瓶の中のお米を取ろうとそっと手を入れました。
お米をつかんだ猿は、一瞬「ニッコリ」喜んだものの、お米をつかんだ手が抜けないことに気が付きました。
だが、欲張りな猿は、絶対に手に握ったお米を放しませんでした。
翌朝、農家の人は、瓶に手を入れたまま動けないで泣いている猿を難なく捕まえました。
人は、当然、猿より賢い動物ですが、このお米が、お金や権力、地位などだったらどうでしょうか?
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