「お父さん、あった?」
「うん、やっと見つけたよ。これじゃないとダメなんだよ。」
「良かったね。」
「他の店じゃ売ってないんだよ。」
「そうなんだ。…お父さん、僕も買ってもいい?」
「ああ、いいよ。」
「僕ね、面白いと思ったもの見つけたんだ。」
「何?」…
「湯飲み茶碗かなあ?これ?」
「そうだね。うちにも沢山あるんじゃないか?」
「僕ね、この周りの字がなんか気に入ったんだよね。」
「何だって?どれどれ…『日常五心』…
・有難うという感謝の心 ・すみませんという反省の心 ・おかげ様という謙虚な心 ・私がしますという奉仕の心 ・ハイという素直な心… なるほどね。」
「僕も、そうだなあ、と言葉では分かっていても、すぐ忘れちゃうから、いつも見られる所にあったらいいなあ、と思ったんだよね。」
「いい事じゃないか。お父さんも欲しいなあ。」
「うん、お母さんにもあげようよ。」
「ああ、値段は安い茶碗だけど、この五つの言葉の価値は凄いね、お父さん。」…
「ところでこの言葉は誰がまとめたんだろうね。」
「お父さん、うちに帰ったら調べてみようよ。」
「そうだな。調べる価値はあるなあ。」
※日蓮宗や曹洞宗、真言宗など宗教関係でよくみかけますが、はっきりとした説はわかってはいないようです。
日常五心とは
『はい』という素直な心
『すみません』という反省の心
『おかげさま』という謙虚な心
『私がします』という奉仕の心
『ありがとう』という感謝の心
●「はい」という言葉は、返事です。
この「はい」という言葉には3つの意味があります。 〇「拝」という「ありがたく受ける」という相手を敬う気持ち 〇「配」という「言われたことに充分気を配ります」や相手への気配りをする気持ち
〇「背」という「責任を負って実行します」という責任を背負うという気持ち
●「すみません」という言葉は、申し訳なくて「自分の気持ちがおさまらない」という「謝 罪」の気持ちを表します。
●「私がします」という言葉は、利害から離れて相手や社会のために尽くすという「奉仕」 の気持ちを表します。
●「おかげさま」という言葉は、自分の力だけではなく、陰で支えてくれるなど誰かのお かげでもあると感謝するという「謙虚」の気持ちを表します。
●「ありがとう」という言葉は、自分のまわりに起こるあらゆるすべてのことに対して、「感謝」の気持ちを表します。自分の心も温かくしてくれる魔法の言葉ともいわれています。
※五つの言葉の順番が決まっている訳ではなく、色々です。
※仕事や家庭、友人同士でも、この「日常の五心」で人間関係もスムーズに進むことが多くなるのではないでしょうか。