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320,日常五心

「お父さん、あった?」

「うん、やっと見つけたよ。これじゃないとダメなんだよ。」

「良かったね。」

「他の店じゃ売ってないんだよ。」

「そうなんだ。…お父さん、僕も買ってもいい?」

「ああ、いいよ。」

「僕ね、面白いと思ったもの見つけたんだ。」

「何?」…

「湯飲み茶碗かなあ?これ?」

「そうだね。うちにも沢山あるんじゃないか?」

「僕ね、この周りの字がなんか気に入ったんだよね。」

「何だって?どれどれ…『日常五心』…

・有難うという感謝の心 ・すみませんという反省の心 ・おかげ様という謙虚な心 ・私がしますという奉仕の心 ・ハイという素直な心… なるほどね。」

「僕も、そうだなあ、と言葉では分かっていても、すぐ忘れちゃうから、いつも見られる所にあったらいいなあ、と思ったんだよね。」

「いい事じゃないか。お父さんも欲しいなあ。」

「うん、お母さんにもあげようよ。」

「ああ、値段は安い茶碗だけど、この五つの言葉の価値は凄いね、お父さん。」…

「ところでこの言葉は誰がまとめたんだろうね。」

「お父さん、うちに帰ったら調べてみようよ。」

「そうだな。調べる価値はあるなあ。」

※日蓮宗や曹洞宗、真言宗など宗教関係でよくみかけますが、はっきりとした説はわかってはいないようです。

日常五心とは
『はい』という素直な心
『すみません』という反省の心
『おかげさま』という謙虚な心
『私がします』という奉仕の心
『ありがとう』という感謝の心

●「はい」という言葉は、返事です。
 この「はい」という言葉には3つの意味があります。    〇「拝」という「ありがたく受ける」という相手を敬う気持ち 〇「配」という「言われたことに充分気を配ります」や相手への気配りをする気持ち
〇「背」という「責任を負って実行します」という責任を背負うという気持ち

●「すみません」という言葉は、申し訳なくて「自分の気持ちがおさまらない」という「謝 罪」の気持ちを表します。

●「私がします」という言葉は、利害から離れて相手や社会のために尽くすという「奉仕」 の気持ちを表します。

●「おかげさま」という言葉は、自分の力だけではなく、陰で支えてくれるなど誰かのお かげでもあると感謝するという「謙虚」の気持ちを表します。

●「ありがとう」という言葉は、自分のまわりに起こるあらゆるすべてのことに対して、「感謝」の気持ちを表します。自分の心も温かくしてくれる魔法の言葉ともいわれています。

※五つの言葉の順番が決まっている訳ではなく、色々です。

※仕事や家庭、友人同士でも、この「日常の五心」で人間関係もスムーズに進むことが多くなるのではないでしょうか。

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319,諸行無常


田んぼ道を歩いていると、田植えの終わった水田の中、毎日のように成長している稲の姿に気が付く。

 二人の青年が田舎道を歩きながら話をしている。


A:「お前、平家物語って読んだことある?」

B:「それって、高校時代に古文か漢文の授業でやったような気がするなあ。で、どうして、今更、平家物語?」

A:「その中の最初の下りで『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…』というのがあるだろう?」

B:「うん。」

A:「『諸行無常』って寂しいよなあ。お前は、どんな時にそれを感じる?」

B:「あっ、そういうことか。
そうだなあ、小学校や中学校の時の卒業式とか祖父母との別れとか…恋が終わりそうなときとか…」

A:「俺は、人の世の栄枯盛衰や時代の流れとか…歴史なんか、もろ感じちゃうなあ。」

B:「『諸行無常』か…全てのことは、常にはない、必ず変わってしまう…か…」

A:「なぜ、変わってしまうんだろうか?」

B:子供のころのテレビで『時間よ、止まれ!』の掛け声で自分以外の物事の時間を止めてしまうという、不思議な能力を持った少年のドラマがあったけど、そんな具合に時間を止めることは、出来ないのだろうか?」

A:「止めるという前に、時間って、何なの? どこまで進み続けるの?そのエネルギーは一体、何なの?」

B:「時間は、誰に対しても平等だし…進むだけで逆戻りもできない。それも不思議だけどなあ。」

A:「時間の制御は、人間や科学では、無理なのかなあ。」

B:「映像の録画や音の録音機器で時間を進めたり戻したり、多少は遊べるけどなあ。」

A:「時間って、一体、何なんだ?」

B:「本当だよな、何なんだろうなあ。」

(参考 平家物語の冒頭の一節)
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。おごれる人も久しからず、唯(ただ)春の夜の夢のごとし。たけき者も遂(つひ)にはほろびぬ、偏(ひとへ)に風の前の塵(ちり)に同じ。

(現代訳の一例)
祇園精舎の鐘の音には、諸行無常(全ての現象は刻々に変化して同じ状態ではないこと)を示す響きがある。
(釈迦入滅の時、枯れて白くなったという)沙羅双樹の花の色は、盛んな者も必ず衰えるという道理を表している。
権勢を誇って奢り高ぶった人も長くは続かない、まるで春の夜の夢のように儚いものである。勇ましく猛々しい者も結局は滅んでしまう、全く風の前の塵と同じである。

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318,南極と北極

「お父さん、南って、温かい方だよね?」

「ああそうだよ。日が射す方角なので、この辺の家はみんな南向きだよ。」

「じゃあ、お父さん、南の最後の場所、南極ってすごく温かいんだね?温かいというより熱いのかなあ?」

「おい、ヒデちゃん、本当にそう思っているのかい?」

「だって、お父さん、南は温かいんでしょ?」「あのね、ヒデちゃん…、地球は丸い球だろう?それは、いいかい?」

「うん」

「地球は太陽の周りをまわっているのも知っているよね?」

「うん、僕には、回っているという自覚はないけど…」

「お父さんにも自覚はないよ。しかもだよ、ただ適当に回っているんじゃなくて、地球自身も自転しながら1年かけて太陽の周りをまわっているんだよ。」

「そうなんだ。」

「だから昼と夜があったり季節の変化があったりするんだよ。場所的にも太陽の光がよく当たる所や当たりにくい所が出来るだろう?
特に当たりにくい所、そこが北極と南極なんだよ。」

「光が当たらないから寒いんだ。」

「そうなんだよ。南極って、南の字がついても熱いわけではないんだよ。分かったかい?」

「うん、でも、同じ寒い所でも、北極より南極の方が温かい感じがするなあ。そう思わない?お父さん。」

「それはね、ヒデちゃん。実は、南極には大陸があるんだけど、北極にはないんだよ。だから北極は海に浮かんだ氷の山ってところかな。
 海の水と陸地とでは温まりやすさや冷え方に違いがあるんだよ。陸地の方が温まりやすく冷めやすいんだよな。

だから冬の平均気温は北極がマイナス20~30℃なのに、南極は30~50℃で南極の方が寒いんだよ。

世界最低気温のマイナス97、8℃も南極で記録されているらしいよ(2018年)」

「そうなんだ。僕ね、学校で先生の話を聞いているうちに、時々眠くなっちゃうんだよね。」

「そりゃ困ったなあ。」

「でも、これからは、南極の寒さを思い出しながら勉強するよ。」

「そうか、そりゃよかった。でも寒い話だなあ。おーブルブル。」

「お父さん、僕を馬鹿にしていない?」

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