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パナシ

355,仕掛け学

「おい、田中、『仕掛け学』って知ってるか?」

「課長、何ですか?それって?」

「昨日、会社の帰り、本屋で『仕掛け学』って本があったので、ちょっとめくってみたら、これが面白いんだよ…、思わず買っちゃったよ。」

「そうなんですか。」

「お前、テンションが低いなあ。家でなんかあったのか?
ちょっと付き合うつもりで聞いてくれよ。」

「ちょっとだけですよ。課長。」

「例えばだな、コンビニの床に足跡が描いてあると、そこに並びたくなるだろう?」

「そうですね。」

「命令や指図がなくても自然としたくなる工夫というか仕掛けが、身の回りに結構あるだろう?
それを研究している人がいるんだよ。」

「面白い切り口ですね。海外の研究者ですか?」

「それが、日本人何だよ。それも魅かれたんだけどね。」

「他には、どんなものがあるんですか?」


「詳しくは、この本を読んで見れば分かるけど、いくつか挙げるとだな…

・コンビニのレジ前に足跡マークを書いておくと、会計したい客はそこに並ぶ。

・デパートの入り口に真実の口(ローマ)を置くと、口に手を入れると消毒液。


・押しボタン式信号 ない所より信号無視が少ない。

押すと人は、自分が推したから待っていられる。



・男子トイレの便器の真ん中にアーチェリーの的の絵。飛び散りが減った。


・ごみ入れをバスケットボールの籠に。


・サンダルに絵。両方揃えるとちゃんとした絵に。


・中国や台湾の信号機には、カウントダウンの表示があり。


・パンの試食、AとB、刺した楊子が捨てられないように、どちらがおいしかったか、その楊子を刺すボードを用意。アンケートを取ったような効果もあり、ごみも少なくなった。


・山と谷の線で道路の真ん中が低く見える錯視を利用した道路標示。はみだし事故が無くなった。

など…。

「おい、田中、うちの会社でも何か仕掛けられることはないか?」

「そうですね。」

「人間の頭は、生きている時しか使えないんだから、しっかり考えろ。
特にお前は、今まであんまり使って来てないようだから活用の価値はあるぞ。」

「課長、誉めてんですか?けなしてんですか?」

「伸びしろがあるって、誉めているに決まってんだろ。」

「課長、その本ちょっと見せてくれますか?」

「ああ、いいよ。貸してもいいけど、自分で買ったらどうだ?」

「はい」

参考:「人を動かすアイデアのつくり方」東洋経済新報社 松村真宏
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パナシ

354,なぜ縞模様?


息子が聞いてきた。

「お父さん、シマウマって、おもしろいね。」

「どうした?」

「何であんな縞々になっているのかなあ?」

「シマウマだからだろう。」

「だから、何であんな模様なのかなあと思って。」

「そんなのどうでも良いじゃないか?
馬の中から、突然変異で生まれたんじゃないのか?」

「だけど、何か良い所がないと生き残ってこれなかったんじゃないの?」

「それもそうだな。」

すると台所で料理を作っていたお母さんが

「それねえ、前にテレビでやっていたわよ。あなた、DVDかカセットテープに録画したと思うけど…。」

「そうかなあ?探してみるよ。」…



「あった!これだ!」

「お父さん、TVに映してよ。」

「ああ、すぐやってみるよ。」

内容はこうだ。

シマウマの縞模様について…
今までは、天敵の眼を錯乱させるカモフラージュの為と思われていたが、ライオンなどの動物は、人間ほど視力がよくない。縞模様であろうがなかろうが関係なく見えることが分かりこの説は成り立たない。
  
次に出てきたのがシロと黒の模様で温度差が生じ、そこに対流が出来て体表を冷やす働きではないか?検証してみる→白と黒の模様の服で普通の服と比較→ほとんど差がないのでこの説もなりただず。

次に、アフリカのツエツエ蝿との関係で考えた。すると、ツエツエ蝿はこの縞模様を嫌うことが分かった。

他の検証→いくつか同じ造りの家を建て、その一つにシマウマ模様を付ける。
なんと、ツエツエ蝿が近寄らない。シマウマ模様を他の家に変えてもその家にツエツエ蝿は寄ってこない。

ツエツエ蝿を捕まえて吸血した血液を調べてもシマウマのものは見つからなかった。

また、ツエツエ蝿の生息地とシマウマの生息地が重なることからツエツエ蝿対策で生き残って進化してきたのでは?現在、これが一番の理由ではないかとされている。

(NHKダーウィンが来た)2017年9月23日放送

「お母さん、ありがとう。よく分かったよ。みんなそれなりの理由があるんだね。」

「私も勉強になったよ。一度見たのに忘れていたんだなあ。」とお父さん。

「じゃあ、シマウマのあの模様は、みんな同じなのかな?」

「一頭一頭、違うらしいわよ。」

「フーン、そうなんだ。明日、花ちゃんに教えてやろう。」

「母さん、今日のパジャマ、縞模様のにして!」

「あなた、日本の蚊に効くと思うの?すぐ調子に乗るんだから…」

「僕もその方が良いなあ。やってみないと分かんないものね、お父さん。」

「はい、はい。分かりましたよ。」

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パナシ

353,スバルの漢字は?

目を閉じて何も見えず 悲しくて目を開ければ
荒野に向かう道より他に見えるものはなし
ああ 砕け散る運命の星たちよ
せめて密やかに その身を照らせよ
我は行く 蒼白き頬のままで
我は行く さらば昴よ


息をすれば胸の中 凩(こがらし)は吠(な)き続ける
されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり
ああ さんざめく名も無き星たちよ
せめて鮮やかに その身を終われよ
我も行く 心の命ずるままに
我も行く さらば昴よ


ああ いつの日か 誰かがこの道を
ああ いつの日か 誰かがこの道を


我は行く 蒼白き頬のままで 
我は行く さらば昴よ


我も行く 心の命ずるままに 
我も行く さらば昴よ


我は行く さらば 昴よ

歌手の谷村新司さんが2023年10月、74歳の生涯を閉じられました。

谷村さんといえば、沢山の曲を作られましたが、日本ばかりでなく、大きくアジアの歌として広まった「スバル」を思い出します。国は違っても、歌で多くの人々がつながったんですね。

ところが、漢字で書こうとすると、「あれ?『昴』と『昂』どっちだったかな?
よく似た字だけどなあ。」と迷ってしまいます。

そこで今回は、この二つの字を調べてみました。

』は「日+卯」で、読みは、「すばる」「ボウ」となっています。日は太陽、卯は十二支の卯(ウサギ)つまり、太陽の卯の方向にある星あるいは星団を表していると中国ではされていました。(実際は、おうし座のプレアデス星団)

日本での表記は、この和名の「すばる」に中国の漢字「」を当てたとされています。

また、『』の漢字は、太陽そのものを表しており、読みは、「高ぶる」「コウ」など。人名に使われることもよくあります。

 ちなみに、自動車メーカー富士重工業は、社名に「SUBARU、スバル」を名乗っており、エンブレムもプレアデス星団の「」を使っています。
この別名「六連星(むつらぼし)」とも呼ばれる星団の名前を使ったのは、 「SUBARU」の前身である富士重工業が、旧・中島飛行機の流れをくむ5社の資本出資によって設立されたことから、6個の星団を意味する「SUBARU、スバル」と名付けたそうです。

すばる」の呼び名は、古くは、清少納言の「枕草子」に「星は、すばる。 ひこぼし、など」として登場しています。

表記は、「」「スバル」「すばる」「SUBARU」のどの表記でも同じものを指します。が、「SUBARU」は、自動車メーカーを指すことが多い気がします。

冬の星空で、オリオン座の三つ星を右上に延長した辺りにある「」、見つけたらきっと谷村さんを思い出すことでしょう。

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パナシ

352,大川署長

友達が、こんな記事を見せてくれた。2023年10月1日朝日新聞の記事だ。

「すごい人だね。よくこの時代に…大勢の雰囲気に逆らえば、自分の命だって危ない時なのに…、やはり、すごい人だね。」

友達は言った。「人として、周りに左右されず、自分の考えで行動する。こうありたいものだ。」

そして、続けて

「自分の話だけど、小学生の子供の頃、村のガキ大将に『仲間外れ』にされた同級生がいたんだよ。
皆でその子を見つけると追っかけて行って、捕まえて、殴る蹴るの暴行を加えていたのを思い出して、すごく反省しているんだよ。」

「それって、大変ないじめじゃないの?」

「そうだと思う。その子は、皆に合わないように、1時間くらい早く登校していたんだよ。
その子を殴ることでちょっとした英雄気分を味わえたんだよなあ。
何の意味も理由もなく、雰囲気で行動していたんだな。」

「そうなんだ。」

「そのうちに、やっていることが本当にいいことなのか?とか、その子をいじめるのがかわいそうに思えてきて、止めたけどね。
彼には、悪い事をしたなあと、今でも思っているよ。」

「そうなんだ。この記事と同じだな。」

「中学に入ったら、その子は、身体がどんどん大きくなって、生意気な口を利くようになった時は、『調子に乗っていると、また、殴ってやるぞ!』とさえ思ったなあ。

でも、同じクラスで一緒に過ごしているうちに、一番の仲良しになったけどなあ。」

「そうなんだ。良かったな。…

話を戻すけど、やっぱり、大川署長のように、ブレずに毅然と生きていきたいようなあ。」

「うん。お孫さんの豊さんもしっかりしているね。改めて『今の自分は、どうなんだ?』と考えさせられたよ。」

「この記事を書いた前田史郎さんにも感謝だな。」

「そう、そう。」