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ある学校での話です。
3月26日、夜7:00頃
「こんばんは!」と職員室のドアを開けて17~18歳の青年が2人来校。
「あの~、落とし物が…」
「何を落としたの?」
「いえ違うんです。落とし物を拾ったんです。このリュックがそうなんです。」
「名前とか書いてないかな?」
「中は詳しくは見てないんですけど、お金や高そうなゲームのソフトが一杯入っているようです。」
「ちょっと中見て見ようか? あっ、佐藤君のものだ。名前が書いてあるよ。」
「どこにあったの?」
「外トイレの…」
「ありがとうね!佐藤君のお家の方には学校から電話しておくね。
盗られても文句が言えないのに、よく届けてくれたね。お名前は?」
「いいです。当たり前のことをしただけですから。」
「でも、佐藤君だってお礼が言いたいだろうに…」
「それはいいですよ。」
玄関まで階段を下りながら少し話す。
「君たちはこの学校の卒業生?」
「はい、6年前に卒業しました。」
「校舎、塗り替えてきれいになっただろう?」
「ホント羨ましいですよ。」…
「僕たちが教わった頃の先生達が誰もいなくなっちゃって寂しいですね。」
「福井先生とか知っていますか?」
「知っているよ。」
「すごくお世話になったんです。」…
「体育館とか、きれいにならないですかね。」
「今年、壁は全部補修したんだけど、まだきれいじゃないよなあ。」
「また何かあったら気軽においでよ。
今日はありがとうね。」
「はい、さようなら!」
二人とも良いことをしたという爽やかな顔をしていました。
この日は、この先生も、彼らのお陰様ですがすがしい気持ちで家に帰れたそうです。
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