
二人の大学生が歩きながら話をしている。
「この輪切りの木、人の顔に見えないか?」
「ああ、なんとなく。しかも鼻血ぶーみたいだし。」
「なぜだろうね。丸が2つや3つ有ると人の顔に見えたり、雲の形から動物、顔、何らかの物体を思い浮かべたり、月の模様から人や兎の姿が見えてきたり、録音した音楽を逆再生したり速く/遅く再生して隠されたメッセージが聞こえてきたり…。」
「それさあ、前に本で読んだなあ。パレイドリア現象というらしいよ。」
「そうなの?もう一回言って!」
「パレイドリア現象だよ。」
「言いにくいなあ。パ・レ・イ・ド・リ・ア。」
「人は、素早く、『〇○みたい』と脳に行く前に判断して、敵なのかそうでないのかをいち早く察知し、敵なら、そこから逃げたり、逆に先制攻撃を加えたり、その人が生き残れるような能力らしいよ。」
「へえ。本能みたいなものだな。」
「人類が長い歴史の中で作ってきたらしいんだ。咄嗟に判断しなければいけない状況では、じっくり考えていられないから、この能力が役立つらしいよ。」
「ちょっと外れてるかもしれないけど、服装や髪型、髭なんかでも言えるのかなあ。」
「違う要素も入っていそうだけど、最初の判断では、そうかもしれないなあ。」
「見るからにやばそうな奴もいるよなあ。」…

「おい、おい、前からこっちに来る人、やばくない?目つきとか髪型とか服装とか。」
「ああ、だけど、あれ飾りかもよ。大学の先生だと思うよ。」
「ま、目を合わせないことだな。」
「しかし、最近は、見た目で判断できにくいよなあ。何現象と言ったんだっけ?」
「パレイドリア現象だよ。」
※パレイドリアは、ギリシア語の「パラ」(何かしら間違っている 〜ではなく)と、「エイドーロン」(映像 形態を意味する)に由来する。




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