
小学校に入学前のことだ。自転車で登校できるように、父が子供用の自転車を買ってきてくれ、何度も何度も練習し、やっと乗れるようになった。
家から学校までは5km位あったので、自転車通学が認められていた。
早速、入学式の翌日から、友達と一緒に初めて自転車で学校まで行くことになった。村のはずれの家を囲むように道が90度以上に深く右に曲がっている。見通しも悪い場所だ。
意気揚々と自転車をこいで学校に向かっていたが、そのカーブの出会い頭でオートバイと正面衝突。

まさかオートバイが来るとは思わず…。左側でなく右側を走っていた自分が悪いのだが…。
身体は地面に倒され、自転車の車輪は曲がり、ハンドルもグラグラ。
痛かったが、学校は休みたくなかったので、ガタガタする自転車を引いて学校まで行った。
先生と、先に着いていた同じ村の友達が途中まで迎えに来てくれた。
すぐ保健室に連れて行かれた。左腕が痛い。養護の先生が湿布薬を塗り包帯をしてくれた。
午前中で授業が終わり、壊れた自転車を引いて家に帰った。腕の痛みより、自転車を壊して父に叱られることばかり心配していた。足取りも重かった。
何も知らない母は、壊れた自転車を見て「身体にけがはなかったか?」と聞いてくれたが、「大丈夫だよ。学校で先生に湿布してもらったから…。」と答えた。
その日、父に叱られることもなかった。
2、3日して痛みは無くなった。
実はこのとき、左腕の関節がずれて脱臼していたのだった。その時は気付かなかったが、数年たつと少しずつ、変化が出てきた。
壊れた自転車はもう乗れないし、子供用の自転車が手に入らなかった時代だったので、それからは、何人かの友達がしていたように、大人の自転車を三角乗りして、学校まで行っていた。

その内に慣れてきたら、祖母を後ろの荷台に乗せて駅まで行くこともあった。
自動車がほとんど走っていない、しかも舗装されていない砂利道だったが…。
あれ以来、左側通行を心がけた。
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