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パナシ

230,着せ替え人形?

これはおいらの自前の格好だよ。

「お母さん、テレビに出る人って大変だね?」

「何が?」

「だって、毎日、同じ洋服は着られないでしょ?」

「ああ、そのことね。」

「毎日出ている人って、お金はもちろんだけど、洋服をしまう場所だって大きくて広いんだろうなあって思うの。」

「そうね。」

「私、タレントになりたいと思っていたけど、それを考えたら、気が重くなっちゃった。」

「恵ちゃん、あなた、そうなんだ。タレントにねえ。知らなかったわ。」

「お父さんには言わないでね。馬鹿にされそうだから…」

「分かったわ。」

「それでね、お母さん、ニュースを読むアナウンサーや天気キャスターのお姉さんなんか、毎日違う服だし、同じもの着ているのは見たことがないでしょ?」

「そうだね。」

「私、自分が毎日、今日は、何着るかって考えるだけで、頭がおかしくなっちゃう。それに自分に合う洋服をたくさん買いに行くのも大変だし…。」

「男の人は、ネクタイを変えるくらいで良いけど、女の人は大変だと思うわね。」

「制服の方が、私は楽だなあ。」

「お母さんも、若い頃、そう思ったこともあったけど、どうも、専門の人が付いているらしいわよ。局や番組や人によっても違うらしいけど。ある局では、衣装担当やスタイリストがいて、番組によっては、1週間分の衣装が一度に用意されていて、その中から選ぶそうよ。」

「へえ。」

「メイクさんもいるから、スッピンで出社する女性アナも多いとか聞いたわ。」

「衣装、アクセサリ、靴などは、完全にスタイリスト任せらしいわよ。」

「まるで着せ替え人形みたいだね。」

「もちろん自前の人もいるらしいけど、いろいろあるみたいね。」

「どうせなら、私は、腕の良いスタイリストさんがいいなあ。」

「それに、スタジオからの放送やバラエティの屋外ロケでの衣装は、基本的に借り物が多いと聞いたわ。」

「そうなんだ。少し気が楽になったわ。」

「そう?じゃあ、安心してタレントを目指したら?」

「お母さん、お願い、私のスタイリストになってくれない?」

「タレントになったらね。けど、『この服は嫌だ!』とか、わがまま言っちゃダメだわよ。」

「もちろんよ。」

「じゃあ、恵ちゃん、まずは心を磨かなきゃね。」

「うん。」

「じゃあ…お風呂の掃除頼んだわよ。未来のタレントさん。」

「えっ?…分かった。後でやる…。」…

「そういう目線で見ると、東京都知事の小池百合子さんは、この所ほとんど、東京都の仕事着だわね。何か意図があるのかしら…仕事中であることをアピールしているのかしら?」お母さんはそんなことまで考えてしまいました。

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作成者: パナシ

雑学大好き、何でもやりっぱなしが多い。

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