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「部長に言われたんだけど『100年先のことを考えるなら人をどうのこうの…。』って、お前、意味分かるかい。」
社員食堂でAが突然Bに尋ねた。
「ああ、なんとなく…」
「だってBよ、100年後は、俺達は、生きていないんだぞ。」
「Aよ、それには、前があって『1年を考えるなら種を播け、10年先を考えるなら樹木を植えろ、100年先を考えるなら人を育てろ』なんだよ。」
「へえ、そうなんだ。もうちょっと分かりやすく説明してくれないか?」
「うん、この言葉は、今から2千数百年前の中国の書物『管子』に書かれていた言葉なんだよ。」
「ふーん、やはり中国か。」
「原文は『一年之計、莫如樹穀。十年之計、莫如樹木。終身之計、莫如樹人』なんだよ。」
読み:一年の計(けい、=はかりごと・計画)は、穀(こく、=五穀)を樹(う)うるに如(し)くは莫(な)し。十年の計は、木を樹うるに如くは莫し。終身の計は、人を樹うるに如くは莫し。
「どんな意味?」
「目先の1年なら穀物をたくさん作れば人々のためになる。
10年先なら木が大きくなって人々に幸をもたらす。
100年先というか、ずっと将来を見据えたら、優秀な人材を育てることが人々のためになるってことだよ。」
「なるほどね。『 1年先のことを考えるなら種を播け。10年先のことを考えるなら木を植えよ。100年先(ずっと将来の)のことを考えるなら人を育てよ。』か、なかなか良い言葉だな。」
「うん、人材を育てること、つまり教育が一番大事だということだろうな。」
「知らなかったなあ。」
「昔からよく使われた言葉だよ。ベトナムでもホーチミンが、これを引用して教育の大切さを説いていて広く知られているよ。」
「しかし、お前よく知ってるなあ。すごいよ。」
「で、部長は、何が言いたかったと思う?」
「うん、部下をしっかり教育して将来的にも会社や人々の為になる人材を育ててくれってことかなあ。」
「うん、そうだと思うよ。良かったなあ、お前も見込まれて。」
「アッと、そういうことか。なんか、やる気になってきたぞ。」
「あはは、でもその調子で行くんだな。」
「OK、任せとけ。俺、もう一杯お替りするわ。」
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