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高校の修学旅行で、京都・奈良方面に行き、ある大きなお寺を訪れた時のことです。
お寺の歴史や宗派の説明をお坊さんが丁寧にしてくれました。
説明の内容より、そのお坊さんの容姿が私たちの気を引きました。
背筋はピーンと伸び、肌は艶やかで顔はピチピチ、シミもイボも見当たらない。
自称「もうすぐ80歳」と言うのを聞いた時には、皆一斉に「へえーっ」と驚きの声を上げました。
説明が終わった時、一人の生徒が、そのお坊さんに尋ねました。
「どうしたら、そういう艶々な、きれいな顔になれるんですか?」と。
お坊さんは答えました。
「皆さん、大事なものは撫でるでしょう?私も自分の顔を大事に思っているので、毎日撫でているだけです。」と。
それを聞いた皆は、一瞬、我が身を振り返りました。
「自分のことを大事にしてきたかなあ?
顔だって、鏡はよく見るけど、撫でる行為はあまりしてなかったなあ。」…
お坊さんは続けて言いました。「赤ん坊や猫や犬だって可愛いと思えば、皆さんは撫でますよね。そうすると向こうからもこちらに寄ってきますよ。
新しく買った自転車、ちょっと大きいですが、できるものなら布団の中に入れて一緒に寝たい、そう思ったこともありますよね。どんな物にも気持ちが伝わるんですよ。」
どこのお寺で、何宗で、何というお坊さんだったかは、すっかり忘れているのに、何十年たってもその言葉が忘れられません。
「大事なものは撫でなさい。」
このブログを書きながら、あのお坊さんのことを思い出し
「これからは、もう少し意識して身の回りの大事なものは撫でてみようかな?」そう思うこの頃です。
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