
ある大学で、教師を目指す学生たちに先生が話をしている。

「君たちは、『じりつ』と聞いたらどの漢字を思い浮かべますか?…
「自立…」「自律…」…
「はい、ありがとう。では『自律』と『自立』はどういう違いがあるんですか?」
「自分を律すると、自分で立つですか?」
「そうですね。今日は、それを小中高大学の生徒にどう迫るかで見て行きましょう。」
「昔の人は、『ツが取れるまでが躾』と言っていました。『ツが取れるまで』とはひとつ ふたつ…ここのつ、そして十(とお)、10歳ですね、それまでに人としての『おきて、やってはいけないこと』つまり車でいうと『ブレーキ』を、それ以降は徐々に独り立ちできるように『自立』つまりアクセルを育てていくということですね。」…
「ですので、小学校の低学年では『自律』(ブレーキ)を、『やってはいけないこと、やってよいこと』を教えて行かなければなりませんね。ダメなものはダメなんだと…。
小学校の高学年からは、『自立』(アクセル)ですね。『君はどう思う?』良し、悪しを最初から押し付けず、自分で考えさせることですね。」…
「では中学生では?」
「もっと『自立』を強く出すんですか?」
「そうですね。個々の生徒にもよりますが、身体の成長と精神面の成長がアンバランスで『甘えたい』と、『大人扱いして欲しい』が葛藤し、反抗期とか集団への強い帰属感とかに左右されて不安定になりますから、『自立』一辺倒では難しいかもしれないですね。…
そこで皆さんに考えて欲しいのですが、皆さんは、どんな言葉を考えますか?
『自律』→『自立』→『自〇』、皆さんが中学校や高校の教師になった時、その〇にはどんな漢字を入れますか?それによって教師になった時の力量や推進力が決まりますね。
ちょっと考えてみてください。後で一人ずつ発表してもらいますから。」…
「はい、では発表してもらいましょう。」
自学、自習、自楽、自重、自尊、自発、自行、自計、自戒、自愛、自公、自考…
「今までそんなこと考えたことのない人もこれから考えてみてください。人によって違ってよいと思います。
参考までに、私は、自分では『自信』だと思っています。周りに左右されない自分づくりですね。大学以降では『自学』とか『自習』とかも入るでしょうね。
小中高大学の、どの学校で働くかによって、自分が持つ言葉を考えてみてください。
人によって違っていいんです。『自〇』にこだわらず『信頼』『信念』『尊敬』『工夫』『一生懸命』など広く考えて…。」


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