「ひでちゃん、野球とゴルフって何が違う?」
「急にどうしたのお父さん?」
「うん、ちょっとね。」
「野球は団体競技で、ゴルフは個人競技」
「うん、他には?」
「野球はバットとグローブが必要、ゴルフはクラブ?ステック?を使う。」
「他には?」
「ボールの大きさが違う?」
「他には?」
「ゴルフは年をとってもできる。」
「ははは、他には?」
「えっ、もうないよ。ゴルフは金持ちがするって感じ?」
「うん。お父さんは、ゴルフは、決められたところに打って入れる。が、野球のバッターは、守りのいない所に打つ。つまり狙ったところに打つのがゴルフで、狙いを外すのが野球だと思うんだ。」
「ああ確かに。」
「これを人の話に置き換えて考えると、ゴルフ派と野球派がいると思うんだよ。」
「えっ?どういうこと?」
「うん、あることを話すのに、そのことに深く話す人はゴルフ派、話をあちらこちらに飛ばしながらも聞く人を引き付けて本道は外さない、そういう人は野球派かな?って思うんだ。」
「なんとなく分かるよ。お父さん。じゃあ、所ジョージさんやタモリさんのような人は野球派?ニュース解説など専門的な話の人はゴルフ派?」
「そうだね。」
「でも、どうしてそんなこと考えたの?」
「話のうまい人は、知識の幅が広いから、あちこちに話を飛ばせるんだよ…しかも深く…。お父さんも少しはそういう人になりたいなあ。そう思っただけなんだけどね。」
「そうなんだ。なんか、僕も自分の話を考えてみようかなって気になってきたよ。」
「そうか。落語とか万歳やお笑いタレントとかTVに出ている人の話をよく聞くと参考になるよな。」
「うん。そういう人は、みんなから好かれるしね。」
「すごい人たちがいっぱいいるからね。人の話を聞いて、野球派、ゴルフ派って見るのもいいかもよ。広さと深さだね。それに本を読むのも賢さに繋がるからいいんだよ。」
「うん。僕ね、今、春風亭一之輔さんがおもしろいなあとおもっているんだ。話をあちこち飛ばしてくれるんだよ。」
「そうか、良い所をもらいなさいよ。」
「うん」