
「わーっ!眩しい!」
「そんな大きな声、出すなよ。ビックリするじゃないか。ハンドル操作を間違えちゃうよ。」

「ごめんなさい。お父さんは、眩しくないの?」
「そりゃあ、眩しいよ。でも目を逸らしたら、事故につながるから、我慢しているんだよ。」
「この車もあんなに明るいの?」
「この車は、LEDじゃないからそんなには明るくないよ。」
「あの明るさは、対向車に迷惑だよね。」
「うん、でも、わざとやっているんじゃなくて、車に標準装備されているんだからなあ。
日本の道は上り下りが多いし、デコボコ道も多いだろう。下向きにしていても、上向きにしたと同じ状態が結構あるんだよ。
それに、LEDのライトは、白熱電球と違って細いビームで目に飛び込んで来るから余計に眩しいんだよ。」

「そうなんだ。でも、なんとかならないの?」
「もっと事故が起これば、自動車業界や道路交通法も考えるだろうけどね。
自分の車が明るければいい、それが他人の迷惑になっている。
『過ぎたるは、及ばざるが如し』だね。
部屋の照明器具とかだと省エネで明るくて大歓迎なんだけどなあ。」
「お父さん、車が上を向いたら、ライトが下に下がる、車が下を向いたらそのままとか、細いビームをぼやかすフィルターとか工夫できないのかなあ。」
「うん、まだまだ開発途中なんだろうけどなあ。」
「でも、事故は起こしたくないよね。お父さん。」
「日本だけの問題じゃないしなあ。」
その後、お父さんは、自衛隊が出している「ライフハック」の中の動画で
「自動車のライトの眩しさ対策」として
「片目をつぶり、通り過ぎたら両目で…」
いうのを見つけた。
この問題の本質的な解決にはつながらないけど、息子には「片目の方法」を伝えた…。


※LED(Light-emitting-diode)発光ダイオードと呼ばれるもので電圧を加えると発光する半導体素子である。
以前より赤色と緑色はあったが、青色のダイオードの作成が難しく困難であったが、日本のメーカーが開発。(2014年 赤松勇 天野浩 中村修秀二さんらノーベル物理学賞を受賞)。
光の三原色である赤(Red)緑(Green)青(Blue)(RGB)が揃い、白色はおろかどんな色の光でも作れ、しかも白熱球に比べて軽量、小型、衝撃に強く、長寿命、少ない電力で良いので、一気に世に広がった。
