
ある教室で先生が、ちょっとしたクイズを出しました。
子どもたちは、覚えることは嫌いでも、考えることは大好きです。
「では問題を出しますよ。」
1 少しずつ暑くなってきて、虫との戦いが始まります。私たちが住むこの地球には色々な虫がいますね。ところで世界の真ん中にいる虫ってなんだろうね?これが第一問です。世界の真ん中にいる虫は?
子どもたちは、一瞬考えて「はーい!先生!」「はーい!先生!」「他には、いないかな?」
大半の子供の手が挙がったので「じゃあ、一番早かったさくらさん!」「はい、カです。」
「同じです。」「どうしてですか?」さくらさんは「セカイの3つの字の真ん中はカだからです。」
「皆さんいいですか?他に答えはありませんか?」「あっ、そうか、僕は頭の中に世界地図広げて、真剣に考えちゃったよ。」という声もありました。「では、2問目です。頭を切り替えて行きましょう!」
2 アンパン、カレーパン。食パン、メロンパンがあります。人の話をよく聞くパンは?
えっ?「先生、もう一回言って!」先生は、問題を繰り返しました。
「あっ 分かった。はーい!健人君が手を挙げると「健人君、早い。」さっきよりは、手の挙がりが少ない。何人か手が挙がったので、先生は「大きな声で手を挙げた真一君!」
「食パンです。」「一番早かった健人君はなんだと思った?」「僕も同じ食パンです。」
「他には?」裕君が手を挙げ「理由はわかんないけど、勘でアンパン。」
「真一君理由は?」「はい、食パンにはミミがあるからです。」「おおー。」みんな納得して拍手。
3「では、難しい問題を出しますよ。昔からなかなか解決されていない問題なのだけれど、みんなもチャレンジしてみようよ。いいかい、よく聞いて!」

『私は、嘘つきです。という人がいました。この人は、嘘つきなのか?それとも正直者なのか、どちらでしょうか?』
正直者は、絶対に嘘を言わない 噓つきは、必ず嘘を言う 、「私は嘘つきです」と現れたこの人は正直者?嘘つき?さてどちらでしょうか?
「えっ?」子どもたちは考えました。…この人が嘘つきだとすると、「私は、嘘つきです。」が嘘になるので、正直者になってしまうし…、この人が正直者だったら「私は、嘘つきです。」と言っていることも本当だから嘘つきになってしまうし…。
「うーん」「うーん」…「先生、教えて!」子どもたちもお手上げ状態。
そんな中で、まなみさんが手を挙げました。
「はい、分かりました。」「おう、まなみさん、分かった?」
「えっ?」「本当?」みんなの視線がまなみさんに集まりました。「みんな困っているから、まなみさん、答えと説明をしてくれますか?」

「はい、私は、嘘つきだと思います。」
「どうしてですか?」
「はい、理由は、この人の名前が「うそつきさん」だからだと思います。」
一瞬の間を置いて「おおっ!」「確かに。」と皆から感心の声と拍手。
先生が補足しました。「例えば、宇曽月とか書く人の名前ということだね。」先生は黒板に宇曽月と書きました。
「はい、先生!」陸君が手を挙げて言いました。
「でも、この人は、名前は、うそつきでも、言っていることは本当のことですから正直者だとも思います。」
先生は「この問題は、さっきも言ったように、昔から答えのでないものなのに、まなみちゃんは、すごいね。みんなも自分たちなりの答えを見つけようとよく考えました。」と子どもたちを褒めました。
先生は、続けて「もし、この人が「私は、正直者です」と言ったらどうですか?」
…「正直者です。」…「嘘つきです。」…
「そうです。両方出て来ますね。どちらも正しいのです。もちろん『しょうじき』という名前でも正解ですね。」
「えっ?そんな名前あるかよ。」という声も聞こえました。

※ある学校で「雪が融けると何になりますか?」
理科のテストで『春』と答えた子がいましたが、問題を出した先生は×がつけられなかった、という記事を読んだことがあります。
雪国で、毎日のようにみんなが言う「早く雪が解けて春になんないかなあ。」それが頭から抜けなかったんでしょう。
子どもたちの発想は、自由で本当に素晴らしい。

「44,私は、うそつきです」への2件の返信
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