65､ありがとう持ち

身近にこんな人がいます。その人になったつもりで少し書いてみました。仮に斎藤さんとしておきましょう。

　私は、最近、職場が変わって、誰一人知る人がいませんでした。仕事内容も今までとは全く違います。自分より年下の人にもいろいろ教わることが多く、フレッシュな気分も多少ありますが、どちらかというとストレスの方が多くありました。

　「ありがとう！」「ありがとうございます！」毎日どれだけ口から出たことだろう。

　私は、その度ごとに『このありがとうは、倍にして返してもらいますから…』という気持ちで受けた恩を大事にしていました。

　徐々に仕事に慣れてきました。私は、一緒に仕事をする人達から『ありがとう』を沢山引き出そうと思ってました。仕事を手伝ったり、相談に乗ったり、時には手作りの簡単な物をあげたり…。

　外来の客にも丁寧に親切に対応し、時には、自分の担当課でなくとも、その客を担当課まで案内し、その客が帰るとき「どうでしたか？」と声をかけると「はい、無事に手続きが終わりました。ありがとうございました。」と笑顔で言われることもありました。

　次第に周りから「ありがとう！」の声を頂けるようになりました。特に上司から仕事内容で、感謝されたときは嬉しかったのを覚えています。

「どうしてあなたは、いつもみんなのことを考えて行動しているんですか？」と突然言われたとき、『そうなんだ、自分では普通に行動しているつもりなのに、周りにはそうやって思われているんだ。』と思いながらもちょっと恥ずかしい気持ちになりました。

　「そんなことないですよ。皆さんと同じですよ。悪いこともしますし、失敗もたくさんありますよ。ただ、私は、自分のことより人が喜んでいる姿を見るのが好きなんです。決してお金持ちにはなれないですが、『ありがとう持ち』にはなれるかな？」思わずそんな言葉が口から出てきました。

　もちろん、その後も仕事は、周りに助けられながらも順調に進められました。

　ゴミ屋敷の住民が「俺のものどうしようと勝手だろう？これはごみじゃねえぞ。全部俺の財産なんだ。俺は、『金持ち』じゃないけど『物持ち』なんだよ。」というのを聞いて笑ってしまいましたが、私は、もっともっと、人と笑顔を共有しあえる「ありがとう持ち」になりたいです。

　　　　　　　　　　浄水器、どれがいいか迷ってる時はコレ　奥さんに「斎藤さんは、家でも、せっせと動いているんですか？」と聞くと「何もしませんよ。家ではぐーたら亭主で本当に粗大ごみですよ。」ということでした。謙遜かもしれませんが、外と内、両方のバランスを取るのはむずかしいですね。

　誰かが言ってましたね。「夫のロマンは、妻の不満」

作成者: パナシ