一時期、見た目が優しいと、地名や物等ひらがなで表記するのが流行りました。さいたま市やあきる野市など。
私達日本人は、言葉を漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字で表しています。
どの文字が分かりやすいか考えてみました。
道路に「とまれ」「トマレ」「止」「STOP」と書かれたてあったとき、「とまれ」は「とまる」も考えられる「トマレ」もおなじ「STOP」は「STEP」も考えられる。状況的にそんなことはありませんが。「止」は一目亮然です。「止」に近い字は「上」や「正」ですが、明らかに「止」と違うことは分かります。
しかも、一文字で意味を正確に表します。さいたま市は市をつけなければ、文の中に埋もれて、違う意味まで想像してしまいがちです。
例えば、「ここ、さいたま市は、さいたまめじからでアピールしています。」埼玉目力?咲いた豆力?どちらか迷います。「ならしのこうこう」では、奈良市の高校?習志野高校?やはり迷います。他にもたくさんこういう例はたくさんあるでしょう。
ひらがなやローマ字がバーコードだとすれば、漢字は、音と意味を持っておりQRコードのような気がします。遠くからでも瞬時に分かります。漢字が入ると文章も読みやすくなります。
また、漢字文化圏では、読みは違っても字を見れば大体は意味が通じます。
それに、漢字は物事を分類しているのが分かります。全部一致という訳ではありませんが、
虫偏が付けば虫の仲間 魚偏がつけば魚類 草冠は植物等々。
最近、一番感心したのは、元素記号の元素名です。鉄、銅、錫、金、銀、鉛などは日本でも使われていますが、金属、非金属、気体など何偏かを見ればすぐに分かります。もちろん~ゲン ~イウムでもある程度はわかりますが。(元素記号中国語で検索してみてください)
私たちが使っている日本語のひらがなもカタカナも元は漢字から作られた文字ですね。
私たち日本人の祖先は、独自の文字を持たなかったので、文字の発達していた中国から借りて用を足してきました。
当然、漢字とともに考え方や文化等も一緒に入ってきました。
太陰暦(旧暦)、彼岸、節句、春分、秋分、夏至、冬至、正月 元号 五行思想 陰陽思想 抽象概念、庚申信仰 干支 方位による時間表現 儒教 道教 朱子学等 ありとあらゆるものを長い年月をかけて中国から学んで来ました。
ただ、中国の王朝が変わるたびに漢字そのものは変わず、読み方が変わってきています。
日本人は物持ちが良いというのか、王朝の変化で漢字の読み方や文化が多少違っても、前の王朝でもらったものをずっと捨てずに、今にまで残しています。
一つの漢字なのに読み方が色々あるのはそのためですね。
例えば、「生」という字の読み方は(せい:先生 なま:生酒 はえ:生え抜き き:生娘 しょう:一生 ぜい:平生 じょう:誕生 いきる うむ ふ:芝生 な:鈴生り いけ:生垣 いく:生田 あい:生憎 うぶ:生方 きっ:生粋 おい:相生 ぶ:壬生 羽生 なり:生業 ゆう:桐生 羽生 よい:弥生 …他にも沢山あります。)
普段、何気なく私たちは過ごしていますが、カレンダーも太陽暦に変わり(明治5年)、今のような和洋混在の文化の大半は戦後からなのです。
中国から「漢字と文化を返せ!」と言われたらどうしますか?何もできないですね。
足元も見ずにどんどん欧米化されていく社会にちょっと不安を感じるこの頃です。
特にマスコミや政治家の皆さんにお願いしたいのは、頭の良いのはもう十分に分かっているので、意味の分からない横文字の羅列はやめて、皆が分かる言葉で発信・発言して欲しいことです。
「86、漢字と文化を返せ」への1件の返信
[…] 51,言いにくい言葉 52,愉快な人たち 53,だから…つまり… 54,おねしょが治らない 55,机を広くして 56,依怙(えこ)と贔屓(ひいき) 57,私は、田舎人 58,五月の風 59,なぜ笑うの? 60,強い髪の毛 61,だからチョイ役 62,非行化させる秘訣 63,命の繋がり 64,謝罪 65,ありがとう持ち 66,まさかの坂 67,危険はどこにでも 68,面白そうだな? 69,反対の世界地図 70,応用力 71,道案内 72,心に灯をともす 73,時間の感じ方 74,花・鳥・山笑う 75,人間様 76,口で伝える難しさ 77,もう一つの考え方 78,心を磨く 79,電車を止めると 80,芝居 81,浮かないピンポン球 82,損して得取れ 83、マスクはやっぱり必要 84、専門と教養 85,一番大切なものは 86,漢字と文化を返せ 87,あの人を助けて 88、ピグマリオン効果 89、衣紋かけ 90,脳を騙す 91、数字は嘘をつかない 92、絶対言わないこと 93,工夫は無限 94,終わらない話 95,家庭と学校 96,金華鳥 97,柔軟に 98,一緒に楽しみましょう 99,もう一度選考会を 100,青春はなぜ青い春? […]