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356,みんな夢の中


・海でおぼれた。「助けてくれー!」どんなに手足を動かしても岸(陸地)にたどり着けない。「助けてくれー!」水を一杯飲んだ。「ぺっ、ぺっ、ぺっ」と唾を吐き出した。…「何やってんの?」母の大きな声で目が覚めた。

・高速道路で高速車線を走行。後ろから猛スピードの車が煽ってくる。「振り切ってやるぞ。」とアクセルを踏んだ。
その瞬間に後方車の赤色灯が点灯した。
スピーカーから悪魔の叫び「そこの車左によって止まりなさい!」
「ええっ?汚ねーよなあ!最初から点けて走ってくれよ。」

・神社の境内を歩いていたら、上の木の枝からヘビが落ちてきて首に巻き付いた。
目が覚めたら首に巻いたタオルが絡んでいた。

・「オッホ、オッホ、オッホ…」槍をかざして人食い人種が追いかけてきた。
逃げても逃げても逃げきれない。
「ああ、食われる。やめろー!」…
その夢の反省から足を速くする訓練を次の日から始めた。「逃げ足を速くしないと食われてしまう。」

・森の中に奇麗な便所があった。『神様専用』と書いてある。
「俺もここでおしっこしちゃおうかな?誰も見てないから良いかな?大丈夫かな?…神様もこうするのかなあ。」…
じょじょじょ。
神様、ああ、良い気持ち。」
「ええっ?なんか冷たくなってきたぞ。」…
目が覚めた。「ああ、奇麗な便所のせいでおねしょしちゃったよ。」

・宝くじが当たった。皆に分からないようにお金に変えて、瓶に入れた。そして縁の下に隠して埋めておいた。
次の日、そっと開けてみたらお金が金(キン)に変わっていた。だが、重すぎて持ち出せない。「おーい、誰か手伝ってくれ!」二人でもダメだったので更に呼んだ。
10人くらいが一緒に引っ張ってくれた。「中身は何なんだ?」「金(キン)じゃないものだから…」「じあ何なんだ?」
一人が蓋を開けた。
「やめろ!やめろ!」…「なんだ、腐ったハッパじゃないか?おお臭、おおくさ…」「やめろ!やめろ!」自分の声で目が覚めた。

・ヘビの夢を見た。三日間、黙っていると良いことがあると聞いたので、ずっと黙っていた。そのうちにヘビの夢のことは、すっかり忘れてしまった。
「良いことって、なんかあったかなあ?」

・憧れの高校の先生になった。だが、受け持った生徒たちがひとつも言うことを聞いてくれない。授業は私語ばっかり、
「お前たち、ちゃんと授業を聞け!」
もがけばもがくほど上手く行かず。怖くて教室に行けなくなった。…
生徒は、言うことを聞く?自分なりに仕組まなければダメなんだよ。

・「夢は、白黒」信じがたくて、それを確かめようと早めに寝た。…
朝起きた。すっかり忘れていた。

・飛行機から落ちた。手を広げたら鳥のように自由に飛べた。「わあー、気持ちがいい。」ずっと朝まで飛び続けていた。…目覚ましの音が憎たらしい。

・ラジオを付けたら、高田恭子の「みんな夢の中」が流れていた。
『恋は短い夢のようなものだけど、女心は、夢を見るのが好きなの…夢の口づけ、夢の涙、喜びも悲しみもみんな夢の中』
そうですね。その通りですよ。

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54,おねしょが治らない

 

もうすぐ小学校に上がろうとするのに、おねしょの癖が治らない子がいました。

 お父さんもお母さんも気にして、ある時は、叱ってある時は褒めて、またある時は、口に入れる水物を出来るだけ控えさせて、…。

 でも一向に治る様子が無く、お医者さんに行きました。

 「これは、一種の精神的な病気です。薬を処方しますから飲んで様子を見てください。」

 おねしょは、それでも治らず、このままで行ったら、また違う薬を与えられ、薬を飲まないとやっていけない身体にされてしまうんじゃないのか。どうしたらいいのか?

 そう悩んでいると、田舎からお父さんの母親であるおばあさんがやってきました。お父さんとお母さんが浮かない顔をしているので「どうしたんだい?」と訊くと、息子のおねしょの癖がなかなか治らずに困っていること、お医者さんに行って言われたことを伝えました。

 すると、おばあさんは、「明日は、日曜日ね。一日あの子を私に預けて!」と「何か妙案があるの?」とお父さんが聞くと「まあ、任せなさいよ!」とおばあさん。

 次の日、おばあさんは、その子を町のデパートに連れて行きました。そして向かったのはベッド売り場。

 そこでおばあさんは孫にこう言いました。「ここにあるベッドで気に入った物を選びなさい。どんなに値段が高くてもおばあちゃんが買って上げるから。」

「これが良い!」孫は、すぐに選びました。「これで本当に良いの?」「うん、良いよ。これで寝られたら最高だよ。」おばあさんは、お店の人に今日中に家に届けてくれるようお願いしました。
「やったあ。やったあ。僕のベッドだぞー。」

 その日でおねしょは終わり、それからも全くなくなりました。
 

 この話、野球のピッチャーの投げる球に例えると、直球でいけば「おねしょをするな!」ですが、本人が絶対におねしょをしたくなくなるように変化球を投げたおばあさんは流石です。
D・カーネギーの本「人を動かす」の中で一番好きな内容です。
私達の生活の中でもこのような変化球は、沢山応用できそうですね。

まだ、おねしょしてるの?僕が治してあげようか?