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パナシ

248,ジャンケン島

 昔々、遠い遠い海の向こうに「ジャンケン島」という島があった。

島の民は、争うことが大嫌いで、難しい決めごとや揉め事になりそうなときは、長老の前でジャンケンで決める。

みんな気心も知れていて、人を騙そうとするずるい人もいないから、人の道を外さなければ良しとしている。


長い間、こうして島は平和に営まれていた。
 

ところが、ある時、島に見知らぬ色白の人間が流されてきた。

島民の必死の手当で一命を取り留めた。

この男は、日を追うごとに自分の国のことを少しずつ話し始めた。

男が住んでいた国は、
人も多く、この島のように物々交換ではなく、お金というものがあって、それが仲立ちをしていること、たくさんお金を持っていると、好きなものが手に入り、人をも使い、好き放題わがままな生活ができること。
だから人々は、お金を欲しがり、時には人を騙したりもしていた。

この男の話を島の若者たちは、よく聞いていた。


やがて、若者たちは、この男の国を目指して行くようになった。

あれからどれくらい経ったのだろうか?
この島も結局はお金に使われてしまう世の中になってしまった。

もう昔の「ジャンケン島」戻ってこない。

臭ぴたプラス

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