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パナシ

306,星空散歩

南の空

「お父さん、クラスの智也君ね、星に詳しいんだよ。」

「そうなんだ。」

「今の季節、ちょうど星がきれいな時期だからと、オリオン座を教えてくれたんだ。」

そしたら先生が『智也君、もう少し詳しく説明してくれるかい?』と。

智也君は、スバル冬の大三角形シリウスおうし座なんかも教えてくれたんだよ。」

「そりゃあ、よかったな。実は、お父さんもあまり詳しくないんだよ。
小学校でも中学校でも授業内容が終わらなくて、まったく星のことは教わっていないんだよ。

だから教えてくれると嬉しいなあ。」

「うん、智也君は、パソコンでも探せるって言っていたから、僕、それもやってみたいなあ。」

「よし、じゃあ、一緒にやってみようか?」…


 国立天文台が無料で提供しているフリーソフト「mitaka」をパソコンで立ち上げて、
今日の夜8:00の南の空のオリオン座をまず見つけた。

「智也君の説明だと、オリオン座の三つ星を上に延ばすと、おうし座の赤いアルデバランがあって、その先に6つか7つの星の固まりのスバルがあるんだって」

「あっ、本当だ。
これがスバルか。へえ。」

「でね、逆にオリオンの三つ星を下に持っていくと、おおいぬ座のシリウスという白い大きな星があり、それとオリオン座の左の肩にある赤いベテルギウスを線で結び、更に左に行くと小犬座のプロキオンがあって、この三つの星を結ぶと大きな正三角形ができるんだって。

なんか、それを冬の大三角形とか言ってた気がするなあ。」

「ああ、これか?確かに冬の大三角形って書いてあるな。これかあ。」パソコンの中を見ながらお父さんは感心した。

「よし、ヒデちゃん、今夜は、晴れているから、庭に出て、星を探してみようか?」

「うん、ベランダでも大丈夫そうだね。」…

「いやあ、実物は、こんなの大きいんだ。冬の大三角形もきれいに見えるなあ。」

「スバルもあれかな。ヒデちゃん双眼鏡を持ってきて!もっと大きく見てみようよ。」

「はい、畳の部屋にあったよね。」

「うん。」

「ところで、ヒデちゃん、何で星の色は、違うの?」

「先生がね、それは燃えている星の温度とか言ってたよ。青が一番高い温度で、青→白→黄色→オレンジ→赤の順に低いんだって。だから赤い星は年寄りの星なんだって。」

「そうなんだ。じゃあ、黄色かオレンジの太陽は、初老位かな?」…

「ヒデちゃん、見て!スバルが双眼鏡でよく見えるよ。」

「本当?見せて!」

「スバルと車の会社スバル(富士重工)は、関係があるの?」

「恐らく、星のスバルから会社名をもらったんじゃないのかなあ。車についている会社のエンブレムも星のスバルみたいだし。」

「へえ、うちの車はHONNDA?」

「ああ、本田宗一郎という人の名前からとったんだね。」

本田宗一郎

「そうなんだ。」

「車の名前に星の名前が結構使われているんだよ。」

「そうなんだ。例えば?」

「スバル、ジェミニ、ミラ、カペラ、コロナ、カローラ、カリーナ、アクア…

昔の車は名前にCが付くと売れると言われていからCが付く車が多いんだよ。

クラウン、コロナ、カリーナ、カローラ、セドリック、コルサ、クレスタ、チェイサー、チェリー、センチュリー、カペラ、シティ、キューブ、コルディア、キャデラック、カマロ、カウンタック…

今は、色々な名前に大部ばらけてきたけどね。」

「お父さん詳しいね。」

「長く生きてんだもの。」…

「寒くなったから、もう入らない?」
お母さんの声

「お母さん、スバルが綺麗に見えたよ。」

「どれどれ、わあ、本当だ。双眼鏡で見ると、また綺麗ね。」…

「じゃあ、次は、また晴れた夜に、北の空の星を見ようか?」

「僕、北斗七星とか、さそり座とか、南十字星とか白鳥座とか、土星木星も探したいなあ。」

「うん、智也君や先生にも良く教わっておきなよ。」

「うん。ああ、楽しかった。」

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