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368,気づき、意欲


 以前、ボランティア活動で、学校のトイレ掃除を手伝うことがあった。

 私たちの班は12人くらいで、男子トイレを清掃することになった。
班の参加者全員、簡単な自己紹介をして、それぞれ分担を決めて取り組んだ。
若い人たちが多かった。
中には、海外の人もいた。

私は、小便器の下部の蓋(水越というのかな?)をまとめて取り出し、生徒昇降口の外で、石灰化している部分をドライバーなどで掻いて綺麗にする仕事を受け持った。


 班長さんが特別分担場所がなかった人に
「〇○君、蛍光灯を外して掃除してくれないか?」
「はい。」…

ところが、彼は、ずっとそれをやっている。

気が付いた班長さんは
「あっ、〇○君、蛍光灯は、それくらいでいいから、次は換気扇を外して、掃除してくれないかな?」

「はい。」

すると、彼は、ずっとそれをやっていたようだった。…

「この人は、指示されないとできないのか…」

昇降口の外で小便器の下部の蓋(水越?)をやっていた私は、なかなか取れない汚れに手を焼いていた。

すると、近くにいた若者が
「僕もやりますよ。」と手伝ってくれた。

名札を見たら中国の人だった。
日本語が流暢だった。
彼のお陰で綺麗になった。

ホッとしていると、彼は、箒を持ってきて作業した場所を掃き始めた。
「おお、気が利くなあ。ありがとう!」

 昼食時、同じ班なので一緒に食べた。
出身地、今の会社などの話ができた。

「この人は、大成するなあ、気づき、意欲、コミュニケーション力…日本人は、負けちゃうぞ。」そう思った。

 そして、とある日
自分の会社の宴会の帰り、何人かで「締めにラーメンを食べよう!」ということになり、駅近くのラーメン屋さんに寄った。

「いらっしゃいませ!」と声をかけてくれた店員さんの顔を見て

「ああ、AAさん、掃除を一緒にやったBBですよ。」

「ああ、BBさん、お久しぶりです。」

「AAさん、夜も働いているんだ?」

「ええ、少しでも稼がないと、仕送りもできませんから…」

「偉いね。親のすねばかりかじっている日本の若者とは違うよなあ。」

「みんな同じですよ。」

そして、会計時、お金を払おうとすると「今日は、僕のおごりです。」

「いやー、それはだめ、悪いよ。」

「いいえ、僕のちょっとした気持ちですから…」

また、この好青年のお世話になってしまった。

「じゃあ、また来るからね。」

「はい、気を付けて!」

日本人、中国人、若者、年長者そういう括りで考えず、その人その人の力量だと考えるべきなのだろうが、つい2人を比べてみてしまった。

この日は、温かい気分で家に帰れた。

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78,心を磨く

トイレ掃除に参加した生徒の感想から

 私は最初、部活動の顧問の先生から、トイレ掃除の話をされた時、
 「何でそんなことをやらなくてはいけないんだろう?」と、正直、不満の気持ちでいっぱいでした。
 しかも”素手でやる”という話を聞いた時は、「絶対やりたくない!」と思っていました。
 部活動の一環だったし、他の子も行くのに私だけ行かないのはよくないと思い、参加することにしましたが、しぶしぶ行くことになり、不安の気持ちでいっぱいでした。
 しかし、掃除に学ぶ会の方々からお話を聞き、説明を受けているうちに、
 「”トイレ掃除”というみんなが嫌がるようなことに対して、こんなにまで真剣で熱心に取り組んで人がいるんだ…。」と、驚き、また、感動しました。
 担当の方から最初、「一時間、無言で掃除してください。」と言われたときは、”長い”と、感じていた時間も、作業を進めるにつれて、あっという間に過ぎていきました。
 「手を守るクリームを塗ったからって、本当に大丈夫なのかな?」と不安だった気持ちも時間が経つにつれて忘れていき、
 気が付けばトイレの下の水が溜まってぬるぬるしているところまで手を入れている自分にビックリしました。
 私がいろいろ抵抗があると感じていた全てを、普通のことのようにやっていた掃除に学ぶ会の方々のことは本当にすごいと思いました。
 「トイレ掃除をさせてもらう。」と顧問の先生が言っていましたが、その表現の意味が、最初は、しっくりこなかったけど、掃除が終わってみれば「今日は掃除をさせてもらえて本当によかった。」と、自然にその表現が出てきました。
 きっとトイレを磨きながら、自分の心も同時に磨いていたんだなと思います。
 心は取り出して磨けないけれど、心を磨くってそういうことなんだと分かったような気がしました。
 「トイレ掃除をして学んだこと」は、沢山あってうまく言葉にできませんが、トイレに対する考え方は、変わりました。
 自分がいつも、なに気なく使っているトイレは、実は誰かが掃除してくれていることを考えると、感謝の気持ちが本当に大きくなりました。
 次もトイレ掃除に参加させてもらえたら、また違う自分を発見することができると思うので、機会があったら是非参加したいです。(NTKS高校 二年 少林寺拳法部  Kさん)

※イエローハットの創始者である鍵山秀三郎さんが、一人で始めたトイレ掃除が「日本をきれいにする会(掃除に学ぶ会)」となって、日本はおろか海外にも広まっています。上の文は、NTKS高校のトイレで一緒に清掃活動したKさんの素直な感想です。60分でわかる!「VEGAS/Movie Studio」3 キーフレーム編

王様の便器はいつもピカピカ。誰が磨いているんでしょうか?

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