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パナシ

148,螺子(ネジ)


 「おーい!ヒデちゃん、ちょっと来て!」…

「 なに?お父さん?」

「うん、これ、何に見える?」

「階段?」

「そう階段だよ。で、ヒデちゃんは、二階に上がるのになぜ階段を使うの?」

「だって、エレベーターがないから。」

「それもそうだけど、なんで直接行かないの?」

「だって、ジャンプできないし、棒やはしごで登って行っても大変だし…」

「階段は、楽だけど、たくさん歩くから時間がかかるよね。」

斜面の図

…「この絵は、階段から段をとったものなんだ。斜面というんだけどね。」

「うん」

「この図のAに行くのにCから行く方が距離は長いけど、楽でいいよね。」

「うん、Bからだと距離は短いけど大変、ということだよね?お父さん。」

「そういうことだ。じゃあこの斜面を紙だと考えて、棒に巻き付けたらこんな感じになるよね。」

斜面を棒に巻き付けたもの

「うん」

「この模様、今まで見たことない?」

「床屋さんのあれ?」

「赤白青でくるくる回っているやつかい?ちょっと違うな。よーく考えて。」…

「なに?お父さん?」

「実は、これはネジの模様なんだよ。」

「ネジ?…アッ、そうか。分かった。分かったよお父さん。

直接打ち込む釘だと手で押してもダメだからトンカチなど使うけど、ネジだとドライバーで沢山回すかわりに手の力は楽ってことだよね。」

「そうだ。良く分かったなあ。ネジは斜面の応用なんだよ。お父さんが子供の頃、家を建てる大工さんの仕事なんか好きでよく見ていたけど、ほとんど釘を使っていたなあ。

しかも、釘を口に入れていたなあ。」

「なんで口に入れたの?」

「打ち込んだ釘が錆びて抜けないようにするって聞いていたけどなあ。」

「へえ、そうなんだ。」

「でも今は、ほとんどネジを使って建てているよなあ。

ネジを回す電動工具も発達してきたし、ネジの頭もマイナス-だけじゃなくプラス+が出てきたし…。

今、ネジがなかったら、大変だよ。自動車もビルもあらゆる機械に色々な大きさのネジが使われているからね。『人類最大の発明だ』と言う人もいるよ。」

「ふーん。」

「ヒデちゃん、日本にネジが入ってきたのは、種子島に鉄砲が漂着した時からだって。難しいネジ作りを日本の鍛冶屋さんもよく頑張ったものだよなあ。」

「すごいね、お父さん、じゃあ、それまでは日本にネジはなかったんだ。」

「そうそう、刀だって柄の所の目抜き穴に入れるのは竹だからなあ。釘もあまり使わないように木と木をうまく組んでいろんなもの作っていたから、それもすごい文化だと思うけどね。」

「うん」

「幕末に小栗上野介がアメリカ視察に行って、帰りに一本のネジを持ってきたとか、頭がプラスのネジを発見したことで工場の組み立て作業が一気に向上したとか、調べると面白い話が結構あるよ。」

「うん」

「ヒデちゃん、宿題あげるから調べておいて。

①山を登るときの道なんだけど、なんでくねくねと横に曲がりながら登るの?

②床屋さんのあのくるくる回るものの名前と由来。どう?大丈夫?」

ラジャー!

「おっ、無線用語も使えるのか。よし頑張って!」

「はあーい」

プラスネジが誕生したのは1935年ごろの米国。 自動車メーカーで広く使われるようになったことから、世界中に普及していったということだが、このプラスネジを日本に初めて持ち込んだのは、あのホンダの創設者である、本田宗一郎氏だといわれています。
※ネジの名前は、日本語に捻る(ねじる)からです。フランス語ではビスです。英語ではスクリューです。木にねじこむネジは木ネジとは言っても木ビスとは言いませんし、先端は尖いて、ドリルの刃先のようになっている鉄板にねじこむネジは鉄板ビスと言って鉄板ネジとは普通言いません。結局呼び名は適当に付けられ、言いやすさとかマスコミ発とか社会が受け入れた言葉が生き残っているようです。
※「ラジャー」という言葉は、仲の良い友人との会話やメールなどの中で、了解の意を示すために使われる言葉ですね。大人だけではなく、子どもが遊びの中で使っているのもよく聞くなじみのある言葉です。
 何語かわかりにくい「ラジャー」ですが、もともとは英語。アメリカの男性の名前「Roger(ラジャー)」が語源になっています。
 英語での無線通信では、メッセージを受信したことを伝える時に「received」の頭文字をとって「Roger」を使っていました。短い言葉でわかりやすく伝えるためにアメリカ人の男性に多い「Roger」が選ばれたのです。

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