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パナシ

326,バンダナ

最近、人を軽く見る猫がいるという。
要するに、人より自分の方が上だと勘違いしているのである。

 先日、ヨガの練習の時に、タオルというかバンダナかな?それををしっかりと頭に巻いてきた若者がいた。誰だかは、分かっていたが、おどけて「どちら様ですか?」

「なに、言ってんですか?」

「今日は、ドジョウ掬いでもあるんですか?」みんなが噴き出して爆笑。

「今日は、決めてきたんだけど、そう見えますか?」

「慣れれば、大丈夫ですよ。でも、普段通りの方がの私は好きです。」

「あっ、そうですか?」

「それに、ここは練習場所ですからね。」

男の子だから遠慮なく言ったけど、女性だったら、躊躇して言えない。
嘘でも「かっこいいですね。」とおべっかを言ったかもしれない。
「ドジョウ掬い」何て言ったら、どんなに仲が良くても一発で嫌われていただろうと思う。

 そんな話を空手の練習が終わってからしていた。

すると、道場長が「田山さん、今の話じゃないけれど、田山さんは、ハンサムだからドジョウ掬いって感じじゃないけど、練習中にタオルというかバンダナというか、それを頭に巻いているのは止めてくれないかな?
子ども達がそれだけで恐がっちゃうんだよ。」

「髪がうっとうしくて…うちの子供たちは、家でも私がそうだから、慣れていますけどね。」

「帽子と同じだから、練習中はやはり取ってやろうよ。」

「そうですか、分かりました。」

 道場長は、今まで、田山さんにいつ言うか、ずっと気にしていたのだろう。当の田山さんだけが気にしていなかったのである。

「なぜいけないのですか?」そう言いかねない田山さんだから。

ヨガのドジョウ掬いの若者の話で、道場長も言いやすくなったのだろう。

 本当に色々な猫がいることに気が付く。

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