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パナシ

170,緑の父

<杉山龍丸さん>

 「お父さん、杉山なんとか丸って知ってる?」

「知ってるよ。杉山龍丸さんだろう?それがどうした?」

「今日、先生がすごい人だと言っていたけど、そうなの?」

「お父さんも詳しくは知らないけど、インドで緑の父と呼ばれているんだよ。

ちょっと待って。今調べてみるから」…。

「ヒデちゃん、やっぱりすごい人だよ。杉山さんは、福岡の出身でね、
陸軍士官学校を卒業した後、陸軍に所属し、ボルネオでは胸部貫通銃創の重傷を負いながらも陸軍少佐で終戦を迎え、日本に帰ってきたんだ。

 福岡の自分の農園で働いていたインドの人との交流がきっかけで、インドに行くことになったんだ。

 インドのパンジャブ州が干ばつなどで砂漠化しているのを目の当たりにして、何か自分にできることはないか、なんとかここの砂漠化を防ぎたい、その為に樹木を植えることを考えたんだ。

 色々な植物や樹木を調べたんだ。
そして、成長が早く根が深くパルプの原料となるユーカリを選んで、延長470キロメートルにも渡って植林し、インド政府の掛け合ったり、いろいろ苦労してヒマラヤからの地下水脈をせき止めて、水を確保できるようにもしたんだ。
 この当時でも沢山の人たちが餓死(3年間で500万人とも言われている)

 インド政府もあきらめて事業中止に至ったが、それでも杉山さんは、あきらめず、福岡の自分の農園と家を売却して資金を調達し、借家住まいしながらも緑化の費用にあてたというんだ。

 その後もインドの政府や個人の協力も得て、インドの各地にあった砂漠地帯や土砂崩壊の地域を緑化して行ったんだ。

 インドのパンジャブからパキスタンまでの国際道路のユーカリ並木と、その周辺の耕地は杉山さんの功績だとインドの人々は言っているんだよ。」

「へえ、そうなんだ。」

「このための資金のほとんどは、自分の農園や家を売って充てたんだよ。」

「すごいお金持ちだし、神様みたいな人だね。」

「うん、いやあ お父さんも改めて感動したし、元気をもらったよ。もっと知りたかったら、パソコンで調べてみたら?もっとすごいこと分かるかもしれないよ。」

「うん。…でも、…」…。

「なんだ?」

「お父さん、この家売らないでよ。」

「まさか。」…。

私たちもこの木が大好き。龍丸さん、ありがとう。

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