二人のサラリーマンが、酒を飲んでいます。
「しかし、お前は元気だよなあ。」
「そうか?」
「声はでかいし、思ったことをバンバンやっているしなあ。」
「せっかちなだけだよ。」
「『ジャパネットたかた』に行ったら、今すぐにでも一線級のセールスができるんじゃないの?」
「そう言ってくれるのは、お前だけだよ。うれしいねえ。…あっ、お姉さんビール追加で…。」
「お前のようなやり手を『3Vのある人』というんだろうな。」
「何?その3Vって?」
「ボイス、ビジョン、バイタリティのことさ、声が大きく、自分のビジョンをしっかり持って、精力的に活動するってことさ。3つの頭文字がVだから3Vというんだよ。」
「そういうことか。でも疲れるよ。本当はもっと省エネで行きたいんだけどね。…家では静かなもんだよ。」
「でも、気をつけろよ、3Vの人は、今はあまり受けないらしいよ。」
「学校や企業でもそうらしいが、3Vの元気な人が『頑張ろう!』なんていうと『あんた一人でやったら?』と白けムードらしいよ。
うちの息子の学校でも『俺について来い!』的な3Vの先生が今年来たんだよ。4月は良かったけど、5月に入ったら、療養休暇を取っって休んでいるらしいよ。」
「なんで?」
「生徒たちも、人間だから、毎日高いテンションで指導されていたら『先生一人で頑張ってよ!』となるよな。短期的には3Vは効果があるけど、長期になったら3Sが必要だなあ。」
「なんだ?今度は3Sとは?」
「スマイル、サービス、サポートのことさ。笑顔、サービス、支援や見守り、って意味かな?」
「なるほど」
「確かに、強く引っ張ってくれる指導者も良いけれど、大事なことは、自分たちで考えて決めたいんじゃないのかなあ。大人と同じように。先生は自分の思い通りにしたかったんだろうけど…。」
「俺たちの仕事でもそれは言えるよな。3Vもそして3Sもお客さんを大事に思えばこそのものだしな。少し、俺も意識して3Sも身に着けようかな?」…。
「そうしたら、お前完璧だよ。…次期部長かな?」
「いやいや社長だよ。…ウソウソ、今のは冗談、取り消し。」
「でも、お前は、正直でいい。俺も良い友達を持ったものだ。」…
「お姉さん!3B!」
はっとする店員さんに「ビール、ビール、ビール!」
「はい、今。」「あはは、無理すんなよ。」
「これも、ほんのサービスだよ。」
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