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パナシ

196,笑顔

美味しそうな古酒。思わずにっこり、早く飲みたいよう。

 着飾った婦人がいる。化粧もばっちり、だが、笑顔がない。
「あなたちより私が一番」という顔で周りの人々を見下し、優越感に浸っている。

この婦人を見て彼は思った。
「この人に欠けているものを、この人は気が付いていない。
どんなに素敵な衣装、どんなに時間と金をかけた化粧、高級な香水、
それより笑顔が大事だということに、この婦人は気が付いていない。
笑顔は誰でも作ることができる。またその笑顔によって心の中も奇麗に浄化され、人を引き付けていくのに…。」

 

ある商店の店主が嘆いていた。「最近客足が少なくなってきて、やりくりが大変だ。」
厳しい顔が益々厳しくなってきていた。

 その店主に、彼(D・カーネギー)は「もしよかったら、私の講演会に来てくださいよ。」と誘ってみた。

「何の講演だ?」

「きっと商売にも役立ちますよ。」

店主は、それ程興味はなかったが、行ってみた。

講演後、講師の彼は、店主に声をかけた。

「店長さん、良いですか?一週間だけ私の言うとおりにしてみてください。」

「何ですか?大変なことですか?」

「いや、簡単なことですよ。今から、一週間、会った人すべてに笑顔で対応してください。家族にもですよ。」

「そんな簡単なことですか?」

「出来ますか?」

「出来ますよ。それくらい。」…

早速、店主の彼は、それを実行に移した。

一番驚いたのは彼の奥さんだ。朝起きて彼は、にっこり「おはよう!」

「えっ?あなた、どうしたの?気でも狂ったの?今までの不機嫌そうな顔はどうしたの?」

「そんな不機嫌な顔をしていたか?」

「そうよ。話しかけるのも恐いくらいだったわよ。」

詳しい事情を説明すると、奥さんも協力して一緒に実行するようになった。

お店に来たお客さんに、笑顔で「いらっしゃいませ!」
すると、不思議なことに、次の言葉がどんどん出てきて、お客さんとの会話が弾むようになった。

一週間後、店はいつ行っても賑わうようになっていた。

「今まで私たちは大事なものを忘れて商売していたんだわね。」

「ああ、お前の笑顔も素敵だよ。」

「あらっ、あなただって。ずっとそうしていると嬉しいわ。」


※偉人と言われる人たちやリーダーとして慕われる人たちは、確かに笑顔がすごい。人々が引き込まれていくはずだ。
笑顔は神様が人間にだけくれたものなのだからうまく使えるといいですね。

         参考「人を動かす」(D・カーネギー著)