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パナシ

243,針と風船

科学実験教室での光景です。

講師の先生が

「いま、ここに、風船があります。いろんな色の風船がありますよ。」と会場を見渡し…

「誰か、膨らませてくれる人いますか?…どの色でも良いですよ。好きな風船を膨らませてください!」

すると、一人の女の子が「ハーイ、私やりたいです。」と。

前に出てきて、風船を選んでもらった。

「赤色もいいし、青色もいいし…迷うなあ…ハイ、じゃあ、このピンクにします。」

「じあ、膨らませてくれる?」

「ふーふー、ふーふー、あれおかしいな。全然膨らまないよ。」

先生がアドバイス「コツがあるんだよ。最初に一気に強く吹き込んでみると良いよ!」

「こう?」

「あっ、そうそう、後はゆっくりと…もう少し大きくしようか?」女の子は風船を口にくわえたまま頷いて、更に息を吹き込みました。

「ありがとう。風船の口は縛れるかな?」

「えっ?どうやるの?」

「指にこうやって巻き付けて、結び目を作るんだよ。」

「ああ、そういうことか。」ちょっと手こずったが、無事に結べました。

「お名前は?」

「ミナミです。」

「ハイみんな、ミナミちゃんに拍手!」パチパチ。

「じゃあ、みんなも風船を膨らめて、結んでみようか?できるかなあ?ミナミちゃんは、もう一回やっていいからね。分からない人がいたら教えてあげてね!」…。

2,3人の子が手伝ってもらいながらも全員完成。

「みんな出来たから、みんなに拍手!」パチパチ。

講師の先生は、次にこう言いました。

「膨らませた風船の口を結ばないで、手を離したらどうなるかな?」

「うーん」キョトンとする子もいたが「空気を吐きながら飛んでいく。」

「どっちに?」

「風船の口の反対の方でしょ?」

「じゃ、やってみようか?」

先生は、一気に風船を膨らませ、じゃあ、やるよ。よく見てね。…ハイ」

風船はくねくね曲がりながら口の反対方向に飛んで行き、床に落ちました。

「ハイ、みなさん正解でしたね。」

次に先生は針を取り出し

「この針を膨らんだ風船に刺したらどうなりますか?」

「割れるに決まっているよ。」

「みんなそう思いますか?じゃあやってみようか?」

先生は、また風船を3つほど膨らませ、そのうちの1つを取って

「じゃあ、この針を刺すよ。いいかい?」…耳を塞ぐ子もいました。目を逸らす子もいました。

「ハイ、刺します。」…

なんと、割れません。針は確かに刺さっています。なのに、割れません。

「えっ、どうして?」先生は答えました。

「私が刺したところは、風船の口の反対側です。この部分は、「風船の臍」といいますが、ここは、ゴムが広がろうとしていますか?それとも縮まろうとしていますか?」

「ああ、そういうことか。」

先生は違う風船を取り出し

「刺す場所をこの横にしたらどうでしょう?…やってみますね。ハイ」

「バーン!」
大きな音とともに風船は割れました。

「びっくりしましたねえ。みなさんは、風船を針で刺すと、割れると思っていますが、刺す場所によって割れないところもあるんですよ。風船に針=割れる?いやいや、やってみないと分かりませんよね。

家でやってみたい人は風船を持って行っていいですよ。
くれぐれも、一人でやらずに家の人と一緒にやるんだよ。」

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