口のきけない物ほど大事にしなきゃ
ある雑誌記者の方が、田舎の実家に帰られたとき、お母さんの履いていた足袋があまり古いので「母さん、もうその足袋やめたら?」と言うと「そうかい?…そうだねぇ。」
次の日、針と糸で縫い物をしている母親を見て「何を縫っているの?」と聞くと「昨日の足袋だよ。」「だって捨てるんじゃないの?」「この足袋にはお世話になったからね、寒いときも足を温かく守ってくれたし、最後まで大事にしてやらないと罰が当たるよ。」
聞けば母は、洗濯して、切れたところを縫ってから納める(捨てる)という。
「もったいない」「もったいない」と言う母の、たかが足袋に 「お世話になったからね、最後まで大事にしてやらないと罰が当たるよ。」その言葉が頭から離れなかったと言います。
私たちは、たまたま人間として生まれただけであって、ひょっとしたら虫や植物や床を拭く雑巾だったかもしれません。一人では生きていけません。
手で床は、拭けません。手で字は、書けません。手で縫い物は、できません。お腹が減っても手は、食べられません。 いろいろな物にお世話になっているんですね。
自転車屋さんに、パンク修理を頼みに行ったとき、そこのおじさんに同じようなことを言われました。
「お客さん、こんなに汚くしてちゃ自転車が泣いてるよ。たまには掃除してやんなきゃダメだよ。自転車は、何も言わないけど、口のきけないものほど大事にしてやらなきゃ罰が当たるよ。こいつにも心があるんだよ。」
「物には形あり、形あるものには命あり、命あるものには心あり。」
二つの事が、ボディブローのように効いてきました。これからは、自分がもしその物や人だったら…と考えて「身の回りの物(友達もそうだ)を大事にしよう!」そんな気持ちになりました。
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