ある中学校での話です。ゲームのうまい生徒に先生が聞きました。
「ゲームがうまいんだって?すごいねえ。どんなの持ってんの?」
「いろいろ」
「いくつぐらい持ってんの?」
「いっぱい」
「自分で買ったんだ?」
「だいたい」
「ゲームってそんなにおもしろい?」
「まあまあ」
「先生に貸してくれる?」
「びみょおー」
その先生は怒ったそうです。
「お前の言葉はそれしかないのか!」
「次は別にか?」
「確かに便利な言葉だ。それだけでも世の中は渡っていけるだろうが少なすぎる。そう思わないか?」…
「それだけじゃ、考えて物を言うことがなくなってしまうだろう?」
先生は、この生徒の言葉の数の少なさに、家の人と相談し、無理矢理、本を読ませるようにしたそうです。
もしこの子がテレビのアナウンサーだったら
「本日のニュースをお知らせします。」
「今日は、いろいろありました。」
「事件事故もいっぱいありました。」
「桜の咲き具合もまあまあです。」
「今日は、だいたいこれだけです。」
「明日は、どうなるかびみょおーです。」
「続いて天気予報の時間です。」
「今日の天気は、各地によっていろいろでした。」
「雨がいっぱい降ったところもありました」
「明日は、だいたい晴れか曇りか雨でしょう。」
「気温は、まあまあでしょう。」
「夏なので雪が降るかどうかは、びみょおーです。」
「これでは、何も伝わらない。自分では分かっていても表現力がないから、聞いた人は何もわからない。
ですから、皆さんは、本をたくさん読んで、いろいろな人と話し、たくさん言葉を覚え、自分の表現力を磨いてください。
自分の思いを言葉でしっかりと伝えられ、人の気持ちの分かる賢い人になって活躍して欲しい。」と、
全校集会で『本を読むことの大切さ』を別の角度から、校長先生は、話をされたそうです。