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パナシ

72、心に灯をともす

普通の先生は、普通に授業をする。」「良い先生は分かりやすく授業をする。」「本当の先生は、生徒の心に火をともす。」色々な場面で聞かされてきた格言で、身を正される言葉です。

 私は、主に上記の3フレーズで聞いてきましたが、誰の言葉か調べると、ウィリアム・アーサー・ウォード(William Arthur Ward/1921年-1994年/男性)は、アメリカ・ルイジアナ州出身の教育者、牧師、著述家。とありました。

The mediocre teacher tells. 凡庸な教師は指示をする。
The good teacher explains. よい教師は説明をする。
The superior teacher demonstrates.  更に優れた教師は範となる。
The great teacher inspires. そして偉大な教師は内なる心に火をつける。

 元東北大学の総長で光ファイバーの研究でも有名な故西澤潤一先生がこの格言をよく引用し、これを次のように表現しています。
凡庸な教師はただしゃべる. よい教師は説明す すぐれた教師は自らやってみせる。 そして,偉大な教師は心に火をつける。

  

 最近、私は、この格言を何度か使ったり、考えたりしているうちに、気が付いたことがあります。

 A凡庸な教師、B良い教師、Cすぐれた教師、D偉大な教師を具体的に思い浮かべた時、
ABCは自分のテリトリー内、つまり、今教えていること(内容)に、どれだけ一生懸命伝えようとしているかの段階のことであり、Dは自分のテリトリーはもちろんだがテリトリー外であっても、その子どもの興味、関心、能力を見抜いてそれぞれを支援、見守り、一人ひとりのやる気を育てていく教師ではないかと勝手に解釈しています。

 今教えていること(内容)が好きな子もいれば、嫌いな子もいる。どんなに説明しても理解できない子もいる。勉強より野球やサッカーが好きな子もいる。

 個々の子どもたちに、好きなことや自身の能力等を見つけさせ、いかにして自らのやる気を起こさせるか。それを「心に火をつける」と捉えています。

 「教師」を「上司」や「リーダー」「監督」「コーチ」等に変えて見れば、学校だけでなく、会社でも、他の組織でも、この格言は、特に指導的役割の人たちには役立つと思っています。

 同じ方に向かわせるABCばかりでなく、広い視野で、その人の持ち味を生かすDの考えでも人を育てたいですね。

これで火をつけるの?熱いよ?じゃあまず君からつけようか?さあ心を出して!