友達と久々に飲んだ。彼は、今、中学校で働いている。
「今の学校は大変だろう?」
「子ども達は純粋だから、思っているほどじゃないよ。結構楽しいことの方が多いよ。」
「そうか、俺にはできないなあ、学校の先生は。
ましてや中学生は、生意気盛りだしなあ。」
「会社で後輩指導をしているのと同じだよ。」
「だけども、子どもって、言うことを聞く子ばかりじゃないだろう?」
「うん、確かに、そういう子もいるけどね。何て言ったらいいのかなあ。…こっちの持って行き方一つだと思うよ。」
「へえ、そうなんだ。」
「初任の頃、先輩の先生から言われたことなんだけどね、『愛されよ、然らずんば、恐れられよ』この言葉がずっと頭の中にあるんだよ。」
「なんとなく分かるけど、説明して!」
「子ども達は、好きな先生の言うことは、非常に素直に聞く。また、恐い先生の言うことは聞かざるを得ない。
子どもでも大人に対してもそうだが、指導者としての方向性を教えてくれたんだ。子ども達に愛されて、信頼される先生が一番良い、でなければ毅然とした態度で恐がられるくらいが良い。ということかな。
中途半端は、いけないということだろうなあ。
「なるほど。学校だけじゃなくても、それは言えるよな。社長、上司、リーダー…愛されてる方が、何でも、効率がいいに決まっているよな。」
「息子が夜、近くの学校の体育館で武道を習っているんだけどね、その先生の指導は、普段は優しいんだけど、大会前や昇段試験前だと『何回言ったらわかるんだ!』と鬼のように厳しくなるんだって。」
「上手く両方を使い分けているんだなあ。」
「そういうことだと思うよなあ。時間がない時の対応はそうなるよなあ。」
「『愛されよ、然らずんば、恐れられよ』か。家でもちょっと意識してやってみようかな。」
「『言うは易く、行うは難し』だからなあ。
まっ、愛されるのは良いけど、恐れられるのは止めておいた方が良いぞ。」
「ああ、なんとなく反発の雰囲気が見えて来たよ。」
「もう一本行くか?」
「うん、俺は、日本人だから、日本酒が良いな。しかも二本ね。」
「何バカなこと言ってんだよ。俺は、まだビールで行くよ。」
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