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パナシ

329,愛されよ、然らずんば、恐れられよ。


  友達と久々に飲んだ。彼は、今、中学校で働いている。

「今の学校は大変だろう?」

「子ども達は純粋だから、思っているほどじゃないよ。結構楽しいことの方が多いよ。」

「そうか、俺にはできないなあ、学校の先生は。
ましてや中学生は、生意気盛りだしなあ。」

「会社で後輩指導をしているのと同じだよ。」

「だけども、子どもって、言うことを聞く子ばかりじゃないだろう?」

「うん、確かに、そういう子もいるけどね。何て言ったらいいのかなあ。…こっちの持って行き方一つだと思うよ。」

「へえ、そうなんだ。」

「初任の頃、先輩の先生から言われたことなんだけどね、『愛されよ、然らずんば、恐れられよ』この言葉がずっと頭の中にあるんだよ。」

「なんとなく分かるけど、説明して!」

「子ども達は、好きな先生の言うことは、非常に素直に聞く。また、恐い先生の言うことは聞かざるを得ない。
子どもでも大人に対してもそうだが、指導者としての方向性を教えてくれたんだ。子ども達に愛されて、信頼される先生が一番良い、でなければ毅然とした態度で恐がられるくらいが良い。ということかな。
中途半端は、いけないということだろうなあ。

「なるほど。学校だけじゃなくても、それは言えるよな。社長、上司、リーダー…愛されてる方が、何でも、効率がいいに決まっているよな。」

「息子が夜、近くの学校の体育館で武道を習っているんだけどね、その先生の指導は、普段は優しいんだけど、大会前や昇段試験前だと『何回言ったらわかるんだ!』と鬼のように厳しくなるんだって。」

「上手く両方を使い分けているんだなあ。」

「そういうことだと思うよなあ。時間がない時の対応はそうなるよなあ。」

「『愛されよ、然らずんば、恐れられよ』か。家でもちょっと意識してやってみようかな。」

「『言うは易く、行うは難し』だからなあ。
まっ、愛されるのは良いけど、恐れられるのは止めておいた方が良いぞ。」

「ああ、なんとなく反発の雰囲気が見えて来たよ。」

「もう一本行くか?」

「うん、俺は、日本人だから、日本酒が良いな。しかも二本ね。」

「何バカなこと言ってんだよ。俺は、まだビールで行くよ。」

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