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パナシ

346,いつの僕が僕?

「お父さん、3月に転校した希望(のぞみ)さんが、今日、学校に来てくれたんだ。」

「あの可愛い希望さんかい?」

「うん。」

「そうなんだ。元気でやっているって?」

「うん、向こうの学校も楽しいって言ってたから、みんなも安心していたよ。」

「そりゃ良かったな。」

「うん。でも顔がちょっと変わったように見えたなあ。」

「そりゃ、1年近くも会わなければ、お互いに成長しているからなあ。」

「それは分かるんだけど、僕ねえ、不思議だなあと思うんだよね。」

「何が?」

「希望ちゃんの顔って、前の顔と今の顔とどっちが希望ちゃん?」

「どっちもそうに決まっているじゃないか。」

「それは分かっているんだけど、どっちが希望ちゃん?」

「だから、どっちもそうだよ。」

「希望ちゃんも、これから大人になって、お婆さんになって、顔も変わるけど、どれが希望ちゃん?なのかなあ。」

「だから、8歳の希望ちゃん、とか40歳の希望ちゃん、80歳の希望さんとか限定して言うしかないよね。」

「うん、それしかないよね。」

「誰でもそうだけど、小さい頃の顔を知っている人に対しては、その頃のイメージをベースにしてそれを加えて、その人の今の顔を見ているんだよね。
だけど、今まであったことがない初対面の人に対しては、今までの蓄積したイメージがないから、そこから始まるんだよな。

同じようなよく似た怖い顔でも、子どもの頃の顔を知っていると、恐くもないし、それを知らないとどんな人か分からないから余計に恐さを感じてしまうんだよな。」

「よく分からないけど、そうなんだ。」

「だから、いつ出会うかが大事だと思うよ。みんなと子どもの頃に出会えるはずもないから、出会った人の昔のイメージを考えたり、じっくり話したりするのもその人を理解するには良いかもなあ。」

「僕って、いつの頃の僕が僕なんだろうかなあ?」

「ヒデちゃん、最近、おかしくないかい?前から少し変だと思ってはいたけど…。」


「そうかなあ?でも、しょうがないよ。僕、お父さんの子供だからね。」

「おい、おい、お父さんは、自分では、まともだと思ってるけどなあ。」

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