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252,才有る者は…

佐渡の金山

 江戸幕府にとって、佐渡の金・銀山の開発、発掘は幕府の財政にとって最も重要な事柄であった。
坑道に水が溜まるのを防いだ大久保長安や佐渡の検地、小判の金の含有量を減らすなどした荻原重秀らの活躍。

その当時の学者、新井白石は、『佐渡に一度も行かずに賄賂さえもらっている荻原重秀という人物』を快く思わず、何度か将軍徳川家宜に荻原重秀を罷免すようお願いしている。
その時の徳川家宜の返し言葉がとても良いので今回載せてみました。

徳川家宣は
「白石よ、人は色々である。才有る者は徳がない。徳がある者は才がない。すぐれた人材は得難い。重秀の人となりを知らないではないが、天下の財政をつかさどることができる人物はいないのだ。と言って白石の要求を却下」

参考:「佐渡金銀山世界登録推進会」講演会(河合敦先生)より

夏先取り


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166,新井白石


 子供の頃、父が、なにを思い立ったのか、コップにお米を入れて、「箸でつり上げろ」と言う。

「えっ?」いくら箸をお米に刺してもスルリと抜けてしまい、とてもつり上げることはできなかった。

しばらくしたら、父がお米に箸を刺して、そのコップの底を畳に軽くトントン、トントンと打ちつけた。

すると、箸を持ちあげるとコップとお米もつり上がった。

「えっ?」どうして箸が抜けないのか不思議の思った。父が説明をしてくれた。

「底をたたくと、米の隙間がぎゅっと締まるから」と。自分でもやってみたら本当に箸が抜けなくなって驚いた。

そして、こんな話もしてくれた。

 『江戸時代に新井白石という学者がいた。白石が子供の頃、あまりにも怠け者だったのを父親が見かねて、目の前に正座させ、升に入ったお米を白石に見せた。

 そしてこう言った。

「ここにあるお米は、一粒や二粒くらい取っても全く減ったことが分からない。

 逆もそうだ。一粒や二粒加えても増えたようには見えない。

学問や武芸もこれに同じだ。一粒ずつ増やしていく、最初は増えているようには見えないが、やがては、空の升もお米で一杯になってくる。

上達したいと思うなら、気持ちだけでなく、毎日の努力の積み重ねを大切にすることだ。」と…。』

 私の父は、それ以上なにも言わなかったが、子供心に父の言いたいことはよく分かった。そして、コップとお米も本題の導入に使ったことも…。

 日頃あまり何かを言う父ではなかったが、新井白石とお米の話はずっと頭に残っている。

ワシは平賀源内じゃよ。わざと間違えたな。
新井白石

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