教師をしている友達に、「新しい年度は、学校も大変なんだろう?」と聞いたら、
「最初が肝心といわれるけど、その通りなんだ。みんないい子に育って欲しいと思っているんだけど、気持ちだけでは、なかなかうまくいかない。
参考までに、同僚や初任の教師たちに配っているものだけど、見るかい?ちょっとは参考になると思うけど…」と渡されたものを載せてみました。もちろんその友達の許可はとってあります。
●学校・学年の意向を聞きながらの仕事
・仮の子どもの席順(次の席替えの案を考えながら)
・日直当番と仕事内容
・班編制 班の仕事の数と内容 班の中の各係
・名前のラベル貼り(机 椅子 ロッカー 下駄箱 廊下の荷物掛けetc)ラベルの種類?
・児童が来てから→机椅子の高さ調節
・教室の環境作り
・提出物を入れる箱と自分で○を付ける名簿等の用意。
・雑巾の置き場所の指定
・事務用品の確保 必要教材の発注 英語の名札の確認等
●子供の前での教師の役割
①司会役→場の区切り 切り替え
②指導役→教授内容 生活指導 混同しないこと。
●最初の出会いで、名前の読み間違えは、大変子供の心を傷つける。読み仮名を振る。
●子供に期待すること。どんな子供達どんな学級を作りたいか。教師の思いを最初に熱く語れると良いでしょう。
●子供の名前の呼び方(上の姓で呼ぶか 下の名前で呼ぶか)かわいい子にだけ愛称や「ちゃん」付けは、いけない。
支援の必要な子や手の掛かる子など意図して呼ぶのは可。
●必ずトラブルが発生する。
その時双方の理由を聞いて、
「じゃあA君が悪いのだからB君に謝りなさい!」と教師が裁判官になってはいけない。
「何故殴ったの?」
「だって、馬鹿と言ったから」
「何故馬鹿と言ったの?」
「だって…」
「では、A君はB君に何をして欲しくないの?」
「馬鹿と言わないで」
「B君はA君に何をして欲しくないの?」
「すぐに殴ってくるのは止めて欲しい」
「A君は聞ける?Bは聞ける?じゃあそこを気をつけて生活しよう。はい握手。この件はこれで終わり!」
教師は、司会者であって欲しい。子供もそう願っているはず。
●前のクラスのことを持ち出して、自己主張する子が必ずいる。どのやり方がいいのか考えさせて新しい学級のものを作れば良いでしょう。
●子供達への課題・宿題(学級懇談会で保護者に説明し協力を要請しましょう)
1、年間50冊?は本を読ませたい。
2、宿題に音読だけでなく写文も毎日入れたい。
3,宿題は、多すぎず、少なすぎず。
●宿題忘れの子、固定することが多い。
「そうか忘れたか。その分みんなと差ができちゃうね。じゃあ先生がその分補強してやるよ」
昼休みや放課後に漢字書き取り 計算 写文などその子にあった為になる課題を、残り掃除などの罰はいけない。
●言葉遣い「○○してください」よりは「○○しましょう」教師と子供の立場が逆転してはいけない。
花に水をあげて!お父さんにご飯やって!なんか変ですね。
お願い言葉を指示言葉に代えましょう。敢えて使う場合は別です。
●教師の仕事道具や機械類は、許可無く使用させない。
特に黒板は教師の大切なノートです。いたずら書きに使うものではありません。パソコンやTVやエアコンなども同じです。
●席への着かせ方、並ばせ方に工夫を。
例 「54321」「一番遅いのは?」「一番早いのは?」
※先輩の先生方から学ぶことも大事、たくさん引き出しを持っていますから。
●言葉より文字の方が分かりやすいこともある。
黒板に「~分には席に着きましょう!」
「行間休みに体操服に着替えましょう!」
●競争の原理を導入すると、子供たちはやる気を出す。
●時間制限での課題を与える。「5分でこの課題」…計算、漢字等の練習。
●その他約束事等
例:帽子は教室ではかぶらない。
・席を発つとき、発言するときは、一言許可を取ってから。
・物には必ず名前を。
・授業の号令前には、机の上は準備完了状態。
●受業の最初に「この時間の学習目標」を明確に提示する。
●時間割や週予定ばかりに頼らず、毎日「本日の日程」は明示し、子供たちと一緒に確認する。
●本を各自用意し、学習や作業等が早めに終わった時、いつでも読めるようにしておく。
●晴れた日は、外で遊ぶ。(体力、友達作り)なかなか外に出ない子→クラスでダメなら学年で→学年でダメなら全校で
●元気過ぎて他動的な子も邪険にせず、褒めたり叱ったり、おだてながらもうまく使って本人と学級の成長に役立てる。
●民主的な話し合い活動が出来るクラスであって欲しい。
難しいけれど…。
特に教室内で「ばか!」「死ね!」「きもい!」などが飛び交うことの無いように。
●病気等の配慮事項を除き、引き継ぎの内容にあまり左右されず、白紙の状態で子供達と触れ合うのが良いでしょう。
子供達も気持ちをリセットし、新しいこのクラスで、この担任と頑張ろうとしているのだから。
●小学校3年生、昔の人の教えでは、「ツ」が取れるまで(9歳まで)が躾だといいいます。
ダメなものは理由を問わず「ダメ!」で。車で言うならブレーキを(自律)と4年生以降は少しずつアクセル(自立)を「あなたはどう思うの?」で本人に考えさせる。
●幼少の頃こそ、人間の持っている毒を出す時期。少しぐらいは、やったりやられたりして集団の中で生きていく術を学んでいます。
ずっと良い子で、叱られずに大きくなった子は、大人になって毒を出すとよくいわれてます。
多少大目に、但し、怪我やいじめ等に繋がると判断した場合は、きちんと指導すべし。
●好きな者同士で班やグループを編成しない。どのグループにも入れない子がまざまざと浮き彫りにされてしまう。
TVなどの視聴も原則自分の席で。
●子供の名前や容姿をからかいに使って遊んではいけない。
それが出た時を待ち構えていて、子供達にも十分注意を!
●一人一人の良さを認め、できるだけ褒めてやること。
「ありがとう」の一言でもいい。
「叱る」時は、全体を叱り、全体で考えさせる。個人は、褒めてやるが基本だが…。
●教師のプライベートな話や日常の話題などちょっと触れてやると教師と子ども達の距離がぐっと近くなる。
授業外の脱線した話は、卒業してもよく覚えているものです。
●放課後の教師の3つの義務
①黒板はきれいに。②ゴミは確実に拾う。③子供達の机の整頓。
明日を快く迎えるために。
また、犯罪の心理学から考えても、良い環境作りが教室を遊びの場ではなく学習の場にする。
●黒板は、なぜか縦に拭くときれいに見える。
●保護者と共にしつこく指導を
鉛筆の持ち方 箸の使い方などできないのは、よほどの我が儘か、不器用かでしょう。
●毎朝の健康観察もマンネリ化することあり。
時には、呼ぶ順序を変えて、何の順序で呼んでいるのか考えさせても。
時にはALTや帰国子女等を生かす感じで、英語やスペイン語、中国語などでやっても面白い。
●教室の掲示物に世界地図を余裕があれば日本地図も。
●欠席の子への連絡
班の中で連絡が書けるようにしたほうがよい。班の子のコピーも可能でしょう。
●手の掛かるいたずらっ子ほど、ピグマリオン効果を利用
「いい子だ。本当にいい子だ」とずっと通し続ける。時には「いい子だ。本当にいい子だ。○○さえしなければ、本当にいい子だ」
「ハハハ、うまいねえ、君は いけない子の役が…」
※クラスは、人材の宝庫。無駄な子は一人もいない。
●授業の導入、授業の質を常に工夫し、学ぶ楽しさを体感させよう。永遠の課題ですが…。
●叱るより、「君がこんな事をするなんて、先生は、悲しいよ」「このクラスで、こんな事が起こるなんて、先生は信じられない。なぜ?」
相手メッセージでなく、自分メッセージも使えると良いでしょう。
直で雷を落とすことも必要な時もありますが。
●子供の人格を否定するような𠮟り方はせず、やった行為を指導すべし。罪を憎んで人を憎まず、人は愛すべき。
●保護者やお客さん、地域の皆さんには、積極的に明るい挨拶をしましょう。職員一人ひとりが学校の顔なのです。
●電話に出る時は、「○○小学校の○○です」と名を名乗ると良いでしょう。
電話対応は、それぞれ忙しいので、なかなか丁寧には教えてくれません。
また、伝言は必ずメモに書いて渡してあげましょう。皆さん忙しいので口伝だけでは忘れがちです。
●壁にぶち当たったら、学年の職員や他の同僚に話すこと。
話すことで気持ちも落ち着きます。また、違う見方も大事です。
●個人情報への配慮、守秘の義務。
●特に低学年は、スキンシップを大切に。但し、セクハラには十分注意を。
●犬や猫などの動物が嫌がるのは、 ①高い位置から言われる ②大きな声で言われる ③目を見て言われる ことだそうです。
子供にも言えることです。特に低学年は、同じ目線で話すと安心するようです。
また、子供の話を聞くとき「先生!今日ね」「今日ね」
「Aちゃんがね」 「Aちゃんが?」
「靴箱間違えたから教えてあげたの」「Aちゃんが靴箱間違えたから教えてあげたんだ。Aちゃん喜んだでしょうね」「うん」「よいことしたね。今日はきっと良い事あるよ。また教えてね。」「はい」のようにオウム返ししてやると、色んなことを安心して話してくれます。
●宿題は、周りにあわせながら、本当に必要なものかどうかよく考えて課す。
●やりたいことがあったら、まず学年に相談を。よいアイディアや実践も相談がないと勝手な行動と捉えられ、評価は下がる。報告・連絡・相談ですね。
●子供たちの行動や物事を「良い」、「悪い」で括りがちなので、特に「悪い」はなるべく使わず、具体的なこと、改良点などで考えさせてみましょう。
●子供の誕生日は、クラスみんなで祝ってあげましょう。
口で「今日は〇〇さんの誕生日です」と伝える他にも黒板に書いてあげると一日中皆意識するでしょう。
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」(山本五十六)