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パナシ

48,どうしてそうなるの?

頼むよー、ヒデちゃん。

 ある日、ヒデちゃんは、お母さんと一緒に、お母さんの友達の家に行くことになりました。

 その友達の家には、立派な門がありました。
「お母さん、僕が門を開けてもいい?」ヒデちゃんが言うと
「いいわよ。」とお母さん。

 先に行ったヒデちゃんは、門を押してみました。
「押しても開かないよ。お母さん。」
「じゃあ、引いてみたら?」
「うん。」
「引いても開かないよ。」

 お母さんは、ヒデちゃんを試そうと
「頭を使いなさい!」
するとヒデちゃんは、頭を門に付けて押しました。

 「まあ、なんて子なの?」驚いてこう言いました。

 「口を使いなさい。」
するとヒデちゃんは、口を門の飛び出しているところに付けて歯で咥えて引きました。

 「えっ?この子は何なの?」さすがのお母さんもイライラして

 「しょうがないわね。お母さんが指と手を使って開けてあげるわよ。」
ヒデちゃんはびっくりしました。
「指で開けるの?どうやって?折れちゃうよ。」
お母さんは答えてこう言いました。

 「こうするのよ。」
と言ってインターフォンを押しました。

「あらあ、いらっしゃい。今門を開けますから。」と言って門の鍵を開けてくれました。

 「一言連絡をくれれば良かったのに。」

 それを聞いたヒデちゃんは「門が開かなかったのは、お母さんのせいじゃないか。」
「はい、はい、分かりましたよ。」
それを聞いてヒデちゃんの気持ちは、治まりました。

ありがとう!

 「課長お忙しそうですね。お手伝いできるものがあったら私やりますよ。」課長の前の席の新入社員の若い女性が言いました。

 「いやあ、助かるなあ。一気に三つも四つもこなさないといけなくて…、てんてこ舞いなんだよ。じゃ、お願いしていいかな?
プリンターが故障しているから、手書きでこれと同じものをあと6つ作って欲しいんだけど…」
課長は、書きかけた紙の一番上の表を指して頼みました。
「分かりました。すぐに作ってきます。」課長は、A4の紙に完成された表が1つと作りかけの表が6つ書かれたその1枚を女性社員に渡しました。

 10分ほどして、その新入女性社員が「課長、できあがりました。」
「ああ、ありがとう。本当に助かったよ。」

 彼女が持ってきた書類を見て、課長は愕然としました。

完成した表が7つではなく、渡した通りの不完全な用紙7枚を彼女は持ってきたのです。

伝え方が悪かったのかなあ?私が欲しかったのは一番上と同様の完成した7つの表なのにと思いつつ、もう一度、彼女に「ありがとう。」と言いました。6つと6枚か…。

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