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パナシ

357,枝豆

「母さん、この枝豆すごくおいしいね。こんなの初めてだよ。」

「あらそう?良かったわ。友達の小島さんからいただいたの。黒豆の大豆とか言ってたわよ。」

「そうなんだ。母さんの茹で方も上手いんじゃないの?」

「あらそう?」

「コクも香りもあって美味しいよ。これじゃあビールも進むよ。」

「あらまあ。」

「俺は、枝豆って、みんな同じだと思っていたんだけど違うのか。」

「そりゃそうでしょ、山形の鶴岡に引越しした鈴本さんが送って来るのは『ダダ茶豆』というでしょ。」

「ああ、あれもいい香りで美味しかったなあ。」

「でしょう?それにスーパーに行くと『どら豆』というのもあるわよ。」

「何だそりゃ?ドラえもんみたいだな。」

「丹波地方の黒大豆を使って高級品らしいわよ。」

「へえ、そうなんだ。」

「それに、私の生まれた地方では、『鴨川七里』というのもあるわよ。これもおいしいのよ、七里先まで匂うというんだから…。今度、その苗をもらって来てみるわよ。」

「ありがとう。この小島さんからいただいた枝豆もチョーおいしいよ。これも『どら豆』のなかまじゃないのかなあ?今度、『どら豆』が売っていたら買ってきて!食べ比べてみたいなあ。」

「枝豆って、豆の種類くらい数があるんじゃないかしら?」

「そうだなあ。飲み屋さんで出て来る枝豆も今度から良く味わってみよう。」