カテゴリー
パナシ

349,職人への敬意

 地区の再開発のために、古いビルを壊して新しいビルを建てている工事があった。

その作業中、5人の職人さんが横にした鉄骨の柱に乗り、それをクレーンで引き上げていたが、乗っていた鉄骨がバランスを崩し、高所から鉄骨の柱とともに5人が下に投げ落とされた。

2人は即死、他も重症とか。
その会社の幹部や政府の担当大臣が「原因を追求し、二度とこのようなことがないよう安全管理をしっかりと指導徹底させていきます。」…。

いつも思うことだが、もっと個にスポットを当てた心ある発言は、できないのだろうか?
5人は自分で事故を起こしたわけではありません。
職人?作業員?建築労働者?仕事人に対し余りにも軽い扱いではないかと思います。

普通の一般人には、できない特殊な技術を身につけて、高所で大事な仕事をしている尊敬すべき人々なのに…。

お金の力や権力に、ものを言わせ、「代わりはいくらでもいる。」「安全にやらせる。」…まるで物扱い。

「そんなに軽く扱っていいんですか?」

「あなたに、この仕事ができるんですか?」…

「大変な作業中に事故に合われ、亡くなられた方、大けがをされた方々にまずもって仕事をしていただいた感謝と事故の謝罪の気持ちを述べさせていただきます。ご家族は、もちろん本人が完治するまで、会社および国がその保証を担い、ずっと見守っていきます。」くらいのことは、言えないのだろうか?

亡くなられた方の一人は、結婚を予定していたらしい。
その花嫁の父親が、現場で手を合わせ花を手向けている姿を見ていると涙が出てきました。亡くなられたこの若者は、きっと夢と誇りを持ってこの仕事をしていたのだろう。そう思います。

 最近、この事故ばかりでなく、報道される上の立場の人達の言葉が軽すぎる気がします。
今回、この職人さんたちは、高度な技術で他の人にはできない専門的な仕事をしている貴重な人達だったんです。その尊い命が断たれたんですよ。

事故に会ったその人たちに、仕事への感謝と事故の謝罪と今後の家族の安心、見守りを約束して欲しいものです。

この父親の映像も私と同じことを訴えていたように思いました。

国の宝である職人さんに敬意を示せない国は、先が暗い気がします。

もちろん職人さんばかりでなく他の仕事関係の方への敬意もそうですけど…。

剣豪宮本武蔵も「五輪書」の中でそのようなことを語っています。