自動車を使っている人は、経験あると思いますが、私もこの日は車で通勤していました。
ぼーっと信号待ちをしていたら、後ろの車にクラクションを鳴らされました。
いつもなら「ありがとう!」と言う気持ちでハザードでお礼を言うのですが、この日は、そのクラクションにやけに腹が立ちました。
すぐギアをパーキングに入れ、サイドブレーキをぐっと引き、ドアをバーンと勢いよく開け、後ろの車に文句を言い、車を蹴飛ばして…。
とやりたかったのですが、きわめて冷静に手を挙げて対処しました。
同じようなクラクションの音なのに、こちらの気持ちでその音が違って聞こえることがあります。
イライラしているときは、文句を言われたように感じ、落ち着いているときは、「あっそうか、教えくれてありがとう。」とお礼さえ言える気持ちになります。不思議ですね。 NECダイレクト販売
逆の失敗もよくあります。半ドアの車を見たとき、急いで知らせてやろうと、「半ドア!」と叫んだら、ぎょろりと睨まれたり、
歩道を歩いていて、前の人がハンカチを落としたので「ハンカチ!」と知らせたら「よけいなお世話だ。」と言う顔をされたり…。
バスで席を譲ったら「そんな年寄りじゃねえ。」と断られたり、今思うと言葉が足りなかったのでしょう。
誰でも命令や指図されることは嫌ですから、「半ドアですよ!」とか「ハンカチが落ちましたよ!」とか「よろしかったらどうぞ!」と言えば、こちらの気持ちがそのまま伝わったのかも知れません。
自分の「良い」は、必ずしも相手の「良い」ではなく、相手の「ダメ」なときもあります。そんなことを教師をしている友達に言ったところ、友達の教師が言いました。
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「学校の子ども達でも同じだよ。自分の気持ちを上手く表現できない子が多いよ。ぶっきらぼうに単語(短語)で話す子が多いなあ。…恐らく、家でもそうなんだろうと思うなあ。」
続けて「時々生徒をからかいながら、指図や指導と思わせないよう会話をするんだけどね。
例えば、消しゴムを落とした生徒が、その場所に私が近いと『先生、消しゴム!』
拾って欲しいという気持ちは分かるが、すぐには拾ってやらず『先生は、消しゴムではありません。』と軽く突き放します。
生徒は『先生、消しゴム取って!』私は、また切り返します。
『それは命令ですかそれともお願いですか?』すると生徒は丁寧に『先生、消しゴムを取ってください。』
私は更に切り返す『うーん、言葉は丁寧になってもまだ命令かお願いだな。もっといい言い方はないかい?依頼とか。』
しばらく生徒は考えて『先生、消しゴムを取ってくれませんか?』
『よし、そうだな、そう言われると取ってやらない選択もあるけど、取ってやりたくなるよね。誰でも命令されるのは嫌だからね。』…『はい、消しゴムですよ。』と生徒に渡すと、素直に『ありがとうございます。』『ありがとうも言い易いでしょう?』『先生、分かりました。これからはそうします。』
こういうキャッチボールが出来る子はまだ良い方だ」とも言っていました。
「いいです。自分で拾います。」「先生、しつこい。」などと考えることを断念してしまう子の方が多いとも言っていました。
でも、こういう例もあるので、やはり言葉遣いは難しいですね。
電車の中で座っていると、段々車内が混んできました。私の前に立った男性のズボンの大事なチャックが開いていました。
私は、この男性を傷つけないよう言葉を選んで「あのう、前の方が開いていますよ。」と小声で言うと
「あっそうですか?ありがとうございます。」と言って前の車両の方に歩いて行きました。
イントネーションが悪かったのか、ストレートにズボンのチャックとか社会の窓とか言ったら良かったのか。
気持ちを口で伝えるのって、本当に難しいですね。