カテゴリー
パナシ

64,謝罪

直接会うことが一番いい


 市内の昆虫好きが20人ほど集まって、時々研修会を行っています。      浄水器、どれがいいか迷ってる時はコレ


 この日は、ある昆虫の羽化についての研修でした。写真をプロジェクターで映し、レジュメを見ながら討議等しました。

提案者の松山さんは、インターネットで鮮やかな写真を探し、作成者の許可をきちんととって、この日に臨みました。
普通では撮れない貴重な写真に研修会は盛り上がりました。

 ところが、次の日、研修会の提案者の松山さんがネットでの写真の制作者の越川さんにお礼を兼ねて会の報告を入れると
「なに?印刷してみんなに配っただと?写真を見せるのは許可したが、レジュメに印刷してみんなに配るとは何事か?」と怒りまくっていました。

 さらに提案者の松山さんの職場のホームページに「ここの職場は、他人の写真を勝手に使うひどいところだ。」と画面いっぱいに書き込まれていました。

 「どうしたら良いでしょうか?所長も困っています。」

提案者の松山さんは、研修会の責任者をしていた藤岡さんらにもに相談しました。

藤岡さんは「警察案件にしたら、こちらも痛手を覆う。私が行きますよ。直接会って話をしましょう。日をあけては、もっと大変になるから、今日中に謝罪に行きましょう。それと配ったレジュメを全部連絡して回収しましょう。」

 そして、夕方5時過ぎ、研修会の責任者の藤岡さんと提案者の松山さん、それと松山さんの職場の部長の大山さんと3人で謝罪に向かいました。
電話で事前に連絡を取ると、断られることもあるので直接越川さんの家に行くことにしました。手土産は、ちょっと高価なものを用意し、正確な居住場所は、近くのコンビニで確認しようと考えました。

 コンビニに行ってみると、予想外に若い外国人の女店員さんで「よくわかりません。」…

「困ったな」と思っていたら、クロネコヤマトさんの車が、ちょうどコンビニの前に停車しました。

 「ちょっと悪いけど、この住所はどのあたりか、分かりますか?」

「ちょっと住所を見せてください。あっ、ちょうど今そのマンションに行ってきたところですよ。あの信号を右に曲がって、2本目の路地を左に行った突き当りのマンションですよ。」「助かりました。ありがとうございます。」

 マンションの10階、表札が出ていたので、深呼吸をし、「いざ戦わん!」インターフォンを押しました。

「はーい、どちら様ですか?」

「私、藤岡と申しますが、この度、越川様の貴重なお写真をお借りして研修会を開いたものですが…」

「はい、ちょっとお待ちください」奥様がドアを開けてくれました。

「私、藤岡と申しますが、旦那様は、今日はいらっしゃいますか?」

「はい、居ります。あなた、あなた!」

 越川さんが出てきました。

「私、藤岡と申しますが、この度、越川様の貴重なお写真をお借りして研修会を開いたものですが…、私共の勘違いで、本当に申し訳ありませんでした。配った印刷物はすべて回収しました。」

 越川さんは鋭い目つきで私たちを見つめ「私はね、写真を使ってもらってうれしいけれど、マスプリして配布されるとは思ってもいなかったからね。常識ある皆さんがこんなことして良いんですか?」

「申し訳ありませんでした。配慮が足りませんでした。」深々と3人で頭を下げ、奥さんに手土産を渡しました。

研修会の様子を担当者の松山さんから説明し、素晴らしい写真・映像で盛り上がったことを告げました。

「ところで、先生!」

すると越川さんが「私は、先生じゃないよ。」

藤岡さんは、しめた!とばかりに声を大きくし

「いえ、敢えて『先生』と呼ばせて頂きます。こんな素晴らしい写真を取れる方はなかなかいません。先生の持っていらっしゃる技術、ノウハウを私たちに是非教えてください。」…

「大したものじゃないですよ。」

「カメラはどんなものをお使いですか?」

「普通のバカチョンだよ。明かりとか角度は工夫したけどね。……」

 越川さんは部屋からカメラを持ってきて「これですよ。」…

「しかし、あなたたち、よくここが分かったね?」

「はい、クロネコさんに聞きました。」…

「あなたたちの気持ちは分かりました。」

「ありがとうございます。今度、先生、私たちの研修会にも是非いらっして色々教えてください。」…

「今回の件は、先生の恩情で幕を引いていただき、本当に感謝しております。…それでは失礼します。ありがとうございました。」

 帰り道、部長が「今日のキーワードは『先生!敢えて先生と言わせて頂きます。』でしたね。」

「あれ、思わず出っちゃったんだよな。越川さんじゃなかったら違う言葉が出ていたかもしれないけど、直接会えば、誠意は通じること、また再確認できたよ。」

「でも、今日は、ラッキーでしたよ。本人が家にいなかったり、クロネコさんに会わなかったら、時間も遅くなり、また出直しだったかもしれないし…本当に綱渡りでしたね。」

「冷や冷やものだったけど、結果オーライ。七転び八起じゃないけど7回謝罪しても最後は必ずこちらを向かせる、そう思っていたから、ある意味で越川さんは良い人だったんだよな。」

「おそらくホームページの書き込みも、明日は削除されていると思うよ。所長さんにも宜しく伝えてください。…今度、あの越川さんにも研修会に声かけて見ようよ。同じ昆虫好きなんだし…。」

3人とも重かった足が一気に軽くなりました。お疲れ様でした!

アイリスプラザインターネットショッピング

     

私 ってきれい? うまく撮ってね。駄目よ印刷しちゃ、私のきれいさが消えちゃうでしょ。

180日間保証付き+技術サポートあり!
充実なサポートが付いているのでパソコン初心者の方、購入に不安がある方にも安心していただけます。

3ヶ月で-6.4kg、LINEで受けるNo.1ダイエット指導-プレズ<Plez>

カテゴリー
パナシ

26,エアガン事件

ある学校での話です。

 下校途中の小学生がエアガンで打たれるという事件がありました。
打たれた子ども達の話からすると、明らかに狙っていたと思われます。

近くにいたスクールガード(登下校の見守り、交通安全指導ボランティア)の方々のお陰で、近くの中学生の仕業だということが分かりました。

その日のうちに、中学校に親も呼ばれて指導されたそうです。
 そして翌日の放課後、小学校に、事件を起こした中学生のクラス担任と子ども達、保護者が連れ添って謝りに来ました。
 本来なら打たれた子どもに直接謝罪して欲しところだが、今後のことを考えて、お互いに顔を合わせないのが生徒指導の鉄則。
 おそらく、中学校では、クラス担任、学年主任、生徒指導担当、教頭もしくは校長の指導を受けているはずです。きっとこの子達の心は黒だろうな。

 ならば、ここが最後の場なので、黒で終わらせるのではなく白で終わらせたい。もう事件は解決し、謝罪もしている、安心して中学生を家に帰したい。
 校長先生は、この事件をきっかけに、「何とかその子達を生かすことは、出来ないものか。」

 そんな思いから、懇意にしていた本屋さんに電話し、お笑いタレントの麒麟の田村さんが書いた『ホームレス中学生』を3冊すぐに届けてもらい、彼らが来るのを待っていました。
 会ってみると、まだあどけない普通の中学生たちでした。

「君たちは、ここの卒業生?」
「いいえ、違います。隣の○○小学校です。」…。

それぞれの謝罪の言葉を聞いた後、校長先生は、次のようなことを言いました。
「君たちのやったこと、何がいけなかったのか?考えてみてください。全てがいけなかったわけではないですよ。…場所、人狙い、その判断が間違っていたということです。ましてや君たちの後輩になる子ども達ですよ…。
 この本を読んだことありますか?『ホームレス中学生』という本です。
この本には感謝ということがたくさん書いてあります。きっと何かを感じると思います…。」
「……」
「はい、この件はこれで終わりです。これからは、それぞれ自分の進路に向かって頑張って欲しいなあ。」

校長先生は、一人ひとりの眼を見ながら三人に本を渡しました。
「ありがとうございます。」大きな声ではないが、三人の本当の声を聞けたように思いました。
お母さん達も「ありがとうございます。もっときつく言われても仕方がないところなのに、温かい指導で、本当に感謝しております。」
校長先生は、最後に「本人達は、よく分かっていると思いますので、これからを頑張らせてください。被害を受けた子ども達と保護者には、しっかりと謝罪に来た今日のことは伝えておきます。」
お母さん達は、涙を流しながら、また深々と頭を下げました。
「中学校の〇〇校長先生にもよろしくお伝え下さい。」と校長先生は言いました。

小型家電の購入はテスコム

…彼らが学校を去った後、教頭先生が一言「良い解決方法でしたね。
これで校舎のガラスを割られる心配はないですね。
彼らも、また被害にあった子ども達も安心してこの学校に来られますね。
まさに、北風と太陽でしたね。勉強させてもらいました。」と。
清く、気高く、堂々と (むくげ)

PC便利グッズプレゼントキャンペーン

マンツーマンTOEIC対策学校のEnglish School +200