カテゴリー
パナシ

338,こっちの側に来たら

 朝、通勤途中で、道を譲る譲らないで、嫌な思いをしたことはありませんか?
少し広い場所で相手を待ったり、あるいは、すれ違うのが困難なら、ちょっと後ろに下がれば、お互いに感謝し合える。
それが普通のやり取りだと思うのだが…。

そんな場所でも、強引に進んでくる車がある。
「なんだ、こいつ!」
時には、降りて行って文句を言いたいくらいの時もある。
「こんなところで喧嘩している場合じゃない。」とは分かっていても、腹の虫が収まらない。
素直に自分がバックして相手に道を譲る気にはなれない時がある。

この日の友達もそうだった。
狭い道で、すれ違う時に相手の車が強引に入ってきた。
下がってやっても良いが広い場所までには、相当の距離がある。

この日は、「この状況では、絶対に下がらん。相手に下がってもらおう。」と友達は、決めた。
サイドブレーキをかけ、完全に止めた。
相手がパッシングをしたり、クラクションを鳴らして「下がれ!」と合図をしてきても、絶対に動かなかった。

すると、友達の後ろに、もう一台の車が並んだ。
相手は、2対1じゃ仕方なく、しぶしぶ、後ろに下がり出した。
黒い車でナンバーが「8888」なので覚える気がなくても頭の中に残った。という。

「朝から、気分が悪いなあ。もう忘れよう。」

 会社に着くと、「部長、募集広告を見て、応募した人が今日来るそうですよ。」

「男?女?」

「男みたいですよ。」

「部長、来ました。会議室でやりますけど、ちょっと脇で面接を見ていてください。何かあったらお願いします。」

「ああ、分かったよ。好い人だったら良いんだけどなあ。」

「お名前は? 住所はこちらですよね? 車でどれくらいかかりますか?
この会社で、どんなことがやりたいんですか? 趣味とか、スポーツとか、ちょっと自慢できることは、何かありますか?…

面接は、問題なく終わった。採用ということになった。

お互いに緊張感が取れた。

何気なく駐車場を見ると、黒い車があった。ナンバーを見ると「8888」

「今日、乗ってきたのは、あの黒い車ですか?」

「はい。」

「いい車ですね。」

「いやあ、そうでも。」

「ナンバーも覚えやすいですね。」

「中国の人たちが財産が溜まるようにと願っている好きな番号だと聞いたんで。」

部長は、「今朝も似たような車にあったなあ。」

「そうですか?」

今朝のことは、覚えていないようだと知ると、友達は、ほくそ笑みながら
「こっちの側に来たからには、こっちのルールに従ってもらうぞ。鍛えてやるぞ。会社のためにも世の中の為にも厳しくな。お前の自己中心を直してやるからな。」と心の中で言いました。

レンタカーの最安値検索「エアトリ」