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目を閉じて何も見えず 悲しくて目を開ければ
荒野に向かう道より他に見えるものはなし
ああ 砕け散る運命の星たちよ
せめて密やかに その身を照らせよ
我は行く 蒼白き頬のままで
我は行く さらば昴よ
息をすれば胸の中 凩(こがらし)は吠(な)き続ける
されど我が胸は熱く 夢を追い続けるなり
ああ さんざめく名も無き星たちよ
せめて鮮やかに その身を終われよ
我も行く 心の命ずるままに
我も行く さらば昴よ
ああ いつの日か 誰かがこの道を
ああ いつの日か 誰かがこの道を
我は行く 蒼白き頬のままで
我は行く さらば昴よ
我も行く 心の命ずるままに
我も行く さらば昴よ
我は行く さらば 昴よ
歌手の谷村新司さんが2023年10月、74歳の生涯を閉じられました。
谷村さんといえば、沢山の曲を作られましたが、日本ばかりでなく、大きくアジアの歌として広まった「スバル」を思い出します。国は違っても、歌で多くの人々がつながったんですね。
ところが、漢字で書こうとすると、「あれ?『昴』と『昂』どっちだったかな?
よく似た字だけどなあ。」と迷ってしまいます。
そこで今回は、この二つの字を調べてみました。
『昴』は「日+卯」で、読みは、「すばる」「ボウ」となっています。日は太陽、卯は十二支の卯(ウサギ)つまり、太陽の卯の方向にある星あるいは星団を表していると中国ではされていました。(実際は、おうし座のプレアデス星団)
日本での表記は、この和名の「すばる」に中国の漢字「昴」を当てたとされています。
また、『昂』の漢字は、太陽そのものを表しており、読みは、「高ぶる」「コウ」など。人名に使われることもよくあります。
ちなみに、自動車メーカー富士重工業は、社名に「SUBARU、スバル」を名乗っており、エンブレムもプレアデス星団の「昴」を使っています。
この別名「六連星(むつらぼし)」とも呼ばれる星団の名前を使ったのは、 「SUBARU」の前身である富士重工業が、旧・中島飛行機の流れをくむ5社の資本出資によって設立されたことから、6個の星団を意味する「SUBARU、スバル」と名付けたそうです。
「すばる」の呼び名は、古くは、清少納言の「枕草子」に「星は、すばる。 ひこぼし、など」として登場しています。
表記は、「昴」「スバル」「すばる」「SUBARU」のどの表記でも同じものを指します。が、「SUBARU」は、自動車メーカーを指すことが多い気がします。
冬の星空で、オリオン座の三つ星を右上に延長した辺りにある「昴」、見つけたらきっと谷村さんを思い出すことでしょう。