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買い物をして家に帰ろうとしていた車の中で、息子のヒデちゃんが急に
「お父さん、前の車、西橋さん家の奥さんじゃない?」
「そうかなあ?同じ車だけどなあ。」
「お父さん、ナンバー見た?」
「う、うん?…2484だよ。それがどうした?」
「お父さん、気が付かない?
2484は、ニシハシって読めるでしょ?」
「そんなのは、こじ付けだよ。」
「絶対にそうだよ。」
「そうか?でも、運転してるのは、男の人みたいだぞ。」
「僕、あの奥さんを後ろからじっくり見たことないから、分かんないよ。
うん?…ひょっとして盗まれたのかも?
そしたら事件だね。」
「ヒデちゃんは、考え過ぎだよ。運転中に気が散っちゃうから、ちょっと静かにしてくれないか?」
「はーい」
まさかのはずが、2台の車は、ずっと同じ道を走って行った。
家まで着いたところで、同じように前の車も止まった。
運転席から女の人が降りてきた。
「やっぱり、ヒデちゃんたちだったのね。」
「あっ、はい。」
「あっ、どうも…
私たちも、西橋さんじゃないかって二人で話していたんですよ。
ナンバーも2484ですからね。」
「えっ?お父さん、それ僕が見つけたのに…」
家に入ってから
「ヒデちゃん、他に名前と数字ってどんなのがある?」
「ええとね…ちょっと書き出してみるね… 伊藤110 石山1480 石橋1484 石井141 矢橋884 飯山1180 宮迫3835 後藤510 斎藤3110 武藤610 仁科247 内藤7110 林884 小林5884 大林0884 名前じゃないけど いい夫婦1122
にやにや2828 にこにこ2525
などかな?」
「すごいね。そんなにあるんだ。」
「じっくり考えれば、もっとあると思うけど…。」
「そうか、お父さんは、車のナンバーは、個人が特定されないようにしてあると思ってたけど、ちょっとシャレたつもりでやっているんだね。
色々な考えがあるけど、反面、少し危険?と思うなあ。」
「えっ?どういうこと?」
「以前に、友達が8888という番号が好きで、(中国では、発発発発(発展する。財を成すというから)それにしたんだ。
ある時、左折しようとしたら、止まっていた自転車にちょっと触れちゃったんだって。
その場では、お互いに大丈夫ということで名前も聞かずに別れたんだって。
数日後に警察から連絡があって、大変だったらしいよ。
相手は、車種、色、8888ですぐ警察に連絡したらしいんだ。」
「そんなこともあるんだ。」
「分かりやすい番号は、名札を付けて走っているようなものだからね。」
「そうだね。」
「お父さん、お母さんのナンバーは?」
「知らないよ。」
「えっ?そうなの?
だって、お父さん、お母さんは、家族でしょ?」