カテゴリー
パナシ

364, 崩れるサルの村

 あるサルの村でボスが代わった。
今まで力の強かったボスが、ちょっとした不祥事を起こし、身を引くことになった。

村のみんなも今までと違った、新しい風が欲しくて、首を長くして、次のボスを待っていた。

なんとやって来た新しいボスは、雌ザルだった。

「頑張ってくれ!」の声の他には
「やっていけるのか?」等もあり、村のサルたちは少し不安もあった。

 1年がたち、案の定問題が浮上した。

食べてはいけない薬草を若いサルたちが食べたらしい。

副ボスたちは、そのことを知っていたが、見て見ぬふりをして若いサルたちが自ら止めることを望んでいた。
新しい雌ボスに報告さえしなかった。

そのことが、よその村から非難され、あっという間に村の大きな問題となっってしまった。

雌ボスは、報告がなかったこと、見逃したことで副ボスたちを責めた。

だが、副ボスたちの言い分はこうだ。

「何言ってんだ、雌だろうと雄だろうと、ボスとして的確な判断をしてくれるという信頼があれば、報告・連絡・相談は自然に行われたはず。
だけどなあ、あの雌ボスじゃあ、相談する気にもなれないよ。

現にこうやって事件が起きたら
『あなたたちが悪い』と部下を責めるだけで、組織作りを怠った自分には、全く関係ないという姿勢。
こういうボスだから部下から信頼されない。それが分かっていない。

若いサルたちを別の施設に移して問題は解決したように見せているけど、全く解決にはなっていない。責任を取ってボスの座を降りればいいのに…。

「あの雌ボスがいる限り、この村に未来はない。
ちょっと他の分野で名前が売れてたとしても、村を治める力は、ド素人だからなあ。みんな被害者だよ。」

 どの組織でも『報告・連絡・相談』は大事なこと、それよりも信頼される上司の資質が大事。

 創業者は、一緒に苦労してきただけに、部下から尊敬と信頼の念で支えられている。
2代目、3代目になるとそれが崩れるというのもよく聞く話である。