
生物学専攻の大学生と話す機会があり、昆虫食について語り合ったことがあります。
昆虫食は、このところ食糧危機に備えて少しずつ話題に上っていますが、まだ、まだです。
私の体験や聞いた話では、イナゴの佃煮、蚕の蛹の缶詰(長野県)、蜂の子、ミミズ(風邪の時の解熱剤)ナメクジは喉の薬?とか…。カタツムリはフランス料理にもあるし…。
その学生の話によると、ナメクジは、焼いたり、油で炒めても苦くて食べ物にはならないらしいです。
カタツムリは、貝のようでまあまあ美味しいという。…
話のついでに出てきたのは「僕、ゴキブリも食べたことがあるんです。」
「ぎょえーっ、驚かせるなよ。で、どんな味だった?」
「炒めたら少し赤くなって、パリパリしていてエビみたいでしたね。」…
「君ねえ、そのこと、他の人、特に小学校の教師を目指しているんだったら、絶対に子ども達には言わないこと、それだけで、嫌われるよ。どんなに良いことをしても、きっと子ども達は寄り付かなくなるから…。」
ずっとも電気東京ガス
「実は、友達でいたんだよ。ゴキブリじゃないけど、その人は中学校の先生でね。動物の骨格標本を作るのが大好きなんだよ。
ある日、「先生、道端に猫が死んでいました。」と生徒が何気なく言うと、
目をかっと開き、「なに?その猫、どこにいた?昼休みに一緒に行こう。」
「先生、何するんですか?」
「後で説明するから…。」
そして昼休み、その先生と数名の生徒が死んでいる猫の場所まで行きました。
生徒たちは、先生がスコップを持ってきたので、きっと穴を掘って埋めてやるんだろうなあと思っていました。
すると先生は、スコップを身体の前で両手でつかみ、上から下に勢いよく下ろしました。猫の首だけが切り離されました。先生はその首をビニール袋に入れ、他の部分は穴を掘って埋めました。
恐る恐る生徒が「先生、それどうするんですか?」
「うん?骨格標本を作るんだよ。」
「ええーっ?嘘でしょう?」
「本当だよ。魚を骨だけにするのと同じだよ。」
学校に戻るまで生徒たちは話ができませんでした。
放課後、生徒たちが帰った後で、その先生は、理科室で鍋に水と水酸化ナトリウムを入れ、その首を煮込みました。
「これは良い標本になるぞ。」
子どもが宝物を見つけた時のように嬉しそうにブラシをかけ、標本を作り続けました。理科室中異臭が漂っていました。
このことは、あっという間に全校に広がり、子ども達は、その先生を避けるようになりました。奇麗に作った自慢の骨格標本も誰も見ようとしなかったそうです。
ちょうどその頃、井上靖の「敦煌」の映画見ました。最初に肉を天秤棒で担いで売る女性が出てきます。
原文を読んでみると、戦ってやっつけた敵の人肉であることが分かります。それもショックでしたが、この友達の骨格標本づくりも驚かされました。
後で聞いた話では、その先生は、校長にみっちり説教されたそうです。
確かに人の嫌がるものを研究する人がいなければ困りますが、彼は出す場所を考えなかったからだと思います。
メンテナンスがコミコミの布団のサブスクサービス『 RAKUTON 』
私は、もう一度、大学生に念を押しました。
「ゴキブリを食べたなんて絶対に言わないように!万が一、口から出てしまったら、友達か、ほかの人の話にすること!」
